tag:blogger.com,1999:blog-38732605443937112172024-03-13T01:22:16.254+01:00BAR BELLA ITALIAチャオ!仮想バール『ベッラ・イタリア』へようこそ!
イタリアのバリスタYuskeが、ここ仮想バールでお相手します。日頃カウンターで話す最新情報・つぶやきを、バールでなかなかお会いできないイタリアを愛する日本のみなさまに語りかけます。
朝のカプチーノ、お昼のピッツァ、午後のエスプレッソ、ジェラート、夜のワイン、カクテル…。それぞれのシーンに合わせて、ぜひ“ご来店”お待ちしています。ごゆっくりお楽しみください!Barista Yuskehttp://www.blogger.com/profile/09556821229703776922noreply@blogger.comBlogger83125tag:blogger.com,1999:blog-3873260544393711217.post-74035484989972083982015-11-05T04:40:00.000+01:002015-11-05T04:42:36.010+01:00イタリア発!?炭酸エスプレッソ数年前から日本でエスプレッソコーヒーの炭酸飲料の発売が相次いでいます。<br />
なかでも、今年春の新商品のプロモーションでは、「イタリア南部・カラーブリア州で愛飲されている、当地の食文化のひとつ」と紹介されていました。<br />
<br />
この件について、カラーブリア州出身の友人で舞台技術者の、ディエゴ・コスタンツォ氏(Diego Costanzo)に話を聞いてみました。<br />
彼は、カタンツァーロ県マルティラーノ・ロンバルド出身の、生粋のカラーブリア人です。<br />
<br />
ところが彼は、「“炭酸入りエスプレッソ”なんて聞いたことがない」と困惑してしまいます。<br />
そして、しばらく考え込んでから突然叫びました。<br />
「“エスプレッソ・ソーダ”のことか!」<br />
<br />
カフェ・フリッツァンテ(スパークリング・エスプレッソ)ではなく、ガッソーサ・アル・カフェ(エスプレッソ・ソーダ)。<br />
あくまでもコーヒーではなく、ソーダの一種だというのです。<br />
<br />
カラーブリア州では、エスプレッソ・ソーダはコーラのように飲まれているといいます。<br />
なかには食事中に飲む人もいるようですが、たいていは喉の渇きを癒す清涼飲料として飲まれているのだとか。<br />
<br />
グラス一杯分の小瓶で、バールでは約1ユーロ。スーパーでは0.40-0.50ユーロほどと、とても安価。<br />
地元では、老若男女すべての人に飲まれるものの、それでも若者よりも年配者によく飲まれる、レトロドリンクという趣き。<br />
<br />
「カラーブリア州のおそらく2/3の家庭の冷蔵庫に1リットルボトルが常備されている」というから驚きです!<br />
ボトルはプラスチックではなくガラス瓶。スーパーでは0.90-1.40ユーロ程度とのこと。<br />
<br />
しかし、このドリンクは他州のイタリア人たちにはまったく知られていません!<br />
ディエゴ氏いわく、「カラーブリア人が多く移住するローマでは見つけることができるかもしれないが、その他の地域ではまず目にすることはない」といいます。<br />
<br />
事実、他州出身者たちに広く訊ねても、「コーヒー味の炭酸飲料なんて気持ち悪い…」と一様に眉をしかめるだけ…。<br />
いかに特殊で個性的な地方食文化であるかわかります。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://1.bp.blogspot.com/-Lnnpqzw_Fxg/VfTu7XGsR1I/AAAAAAAAAgo/H6DKG8uULuA/s1600/S0026583.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="300" src="http://1.bp.blogspot.com/-Lnnpqzw_Fxg/VfTu7XGsR1I/AAAAAAAAAgo/H6DKG8uULuA/s400/S0026583.JPG" width="400" /></a></div>
<br />
それから数ヶ月して、ディエゴ氏の兄がカラーブリア州からエスプレッソ・ソーダを届けてくれました!<br />
冷蔵庫でしっかり冷やしてそのまま飲むのが正しい飲み方。氷を入れればすぐに水っぽくなってしまうし、オレンジやレモンのスライスを入れることもないのだとか。<br />
<br />
試飲をすると、それほど炭酸が強いわけではなく、エスプレッソが香ると同時に大麦コーヒーのようでもあり、日本の麦茶のような風味と清涼感を感じました。<br />
<br />
カクテルの材料としても、個性を発揮できるのではないでしょうか。<br />
コーヒーの地域性に最も近いラム酒、それもキャラメルのようなコク深いダーク・ラムを試しに合わせてみると、キューバ産葉巻にも合いそうなカリビアンな味に仕上がりました!<br />
他にもテキーラ、ウィスキー、ウォッカなどをベースに、幅広いレシピが考えられるでしょう。<br />
<br />
カラーブリア州を訪れる機会があれば、ぜひバールで探してみたい地域限定の味!<br />
地元のバリスタに尋ねてみれば、イタリア南部の強烈な暑さを乗り切るエスプレッソ・ドリンクの楽しみ方を教えてくれるはずです。<br />
<br />
<br />
【関連バックナンバー】<br />
<a href="http://www.barbellaitalia.com/2012/12/blog-post_16.html">高麗人参のエスプレッソ</a><br />
<a href="http://www.barbellaitalia.com/2012/06/blog-post_21.html">イタリアのレトロドリンク・キノット</a><br />
<a href="http://www.barbellaitalia.com/2012/03/blog-post_09.html">秘蔵ドリンク・スプーマ</a><br />
<br />
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<br />
実はバールは、それ以外にも利用価値のある、とても便利な場所なのです。<br />
旅行でイタリアを訪れる際にも、大いに活用してみてください!<br />
<br />
<br />
最も有効に利用したいのは、トイレ。<br />
イタリアでは公衆トイレは非常に少ないので、観光中のとっさな時に助かります。<br />
エスプレッソ1杯を頼んでから利用するのがスマートではありますが、ただトイレだけを尋ねても大丈夫。特に小さなお子さんや女性の方はすぐに通してくれますし、そうでなくても尋ねること自体はまったく問題ありません。<br />
お店によっては、レジでトイレの鍵を受け取る場合があるので、バリスタに一声かけてみてくださいね。<br />
<br />
また、道を尋ねるのもバリスタへ。<br />
何も注文する必要はありません。バリスタは近隣の通り名を熟知しているので、親身丁寧に教えてくれるはずですよ。<br />
<br />
ここ数年で充実してきたのは、Wi-Fiの設備。ほとんどのバールで完備しています。<br />
日本から持参した携帯電話を無料でインターネットに接続できるので、調べ物や連絡にとても重宝します。<br />
パスワードは気軽にバリスタに訊いてくださいね!<br />
<br />
さらに、携帯電話の充電もお願いすることができます。<br />
充電用のコードがあれば、店内のプラグに挿して充電完了まで管理してくれますし、iPhoneなどの主要な携帯電話ならスタッフのコードを使って充電してくれることもあります。<br />
<br />
近隣のオススメのリストランテやナイトスポットもバリスタへ!<br />
私も、穴場の観光スポットを訊かれることは日常茶飯事です。<br />
<br />
気軽に両替をしてくれるのもバールならでは。<br />
イタリアでは充分なお釣りを用意しているお店が少なく、またチップの習慣もあるので、常にコインを持っておくことは必須です。<br />
逆に、コインをお札に両替することはバールでは歓迎されます。旅行の終盤にたまったコインをお札に代えて、空港等で日本円に両替するにも便利です。<br />
<br />
もし急に具合が悪くなったら、街角のいたる所にあるバールに駆け込むことをオススメします。<br />
席に座らせて水をくれ、常備している医薬品で応急処置もしてくれるでしょう。場合によってはすぐに救急車も呼んでくれます。<br />
もしケガをして患部を冷やしたい場合は、ビニール袋に氷を詰めて渡してくれます。<br />
こうした緊急事態はよくあるので、バリスタも対応には慣れていますよ!<br />
<br />
氷に関しては、すべてのバールで無料でもらうことができます。<br />
近隣のお店で購入したドリンクを冷やしたいときなど、わがままだけでもらうことができるのです。<br />
<br />
こうして購入したワインやビールなども、その栓を開けてもらうだけでもバールに尋ねてみてください。必要であればテイクアウト用のコップも無料でくれます。<br />
<br />
もし赤ちゃん連れの場合、エスプレッソマシンの蒸気ノズルを使って哺乳瓶を温めてもらえます。持参した粉ミルクをお湯で溶かし、ちょうど人肌に温めてくれ、これはすべて無料!床に落ちるなどして汚れたおしゃぶりも、サッと高温殺菌してくれますよ!<br />
特に子供には優しい、人情深いイタリア人の心のこもったサービスです。<br />
<br />
待ち合わせ場所にも、バールは最適!<br />
イタリアでは予期せぬハプニングや交通時刻の遅れなどによって、人との待ち合わせはとかくうまくいかないもの…。<br />
外で待ちぼうけにさせるのは、悪天候の時ほど気を遣うものですし、ここはバールを指定するようにしてください。美味しいドリンクとバリスタのおもてなしがあれば、双方安心して落ち合うことができます。<br />
<br />
流しでタクシーを拾えないイタリアでは、数少ないタクシースタンドを探すのも一苦労。<br />
ここでもバールが便利。電話ですぐにタクシーを呼んでくれますし、何も注文しなくても親切心だけで対応してくれます。<br />
<br />
<br />
ここまでは、旅行者の方でも利用できるバールの活用法。<br />
しかし、地元の住民はさらにバールを使いこなしています。<br />
<br />
家族や友人への伝言はもちろん、家や車の鍵の受け渡し、荷物の受け渡しなど、バリスタを介して頼むことはよくあります。<br />
観光客の方でも、数時間だけ荷物を預かってもらうこともできますよ!<br />
<br />
24時間営業のコンビニが無いイタリアでは、スーパーも21-22時に閉店することは法律で義務付けられています。<br />
深夜にどうしても食材が足りないとき、またそれ以外の時間帯でも、例えばミルクやフルーツ、パンといったバールで扱っている食材であれば、それを譲り受けて購入することができるのです。<br />
当然メニューにはないものですが、バリスタが良心を持って料金を設定してくれますよ。<br />
<br />
バールには通常、新聞や雑誌を置いているので、気になった記事のある新聞のバックナンバーをもらえることも気軽に尋ねることができます。気になった雑誌があれば、お金を払って買うことができるか尋ねてみてください。きっと無料でくれるはずです。<br />
<br />
自分がつくった広告チラシやフライヤーを置かせてもらうこともできます。<br />
地域のコミュニティの場として機能するバールでは、こうした「新しい情報」はむしろ歓迎されるのです。<br />
<br />
ペットを連れての入店も、ほぼすべてのバールで問題はありません。<br />
たいていは気の利いたバリスタがペットにも水を持ってきてくれますが、ぜひご自身でも訊ねてみてください。スタッフ全員が可愛がって撫でてくれると思いますよ!<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://4.bp.blogspot.com/-ESpaTMnT758/U3K9x-8uRgI/AAAAAAAAAYg/HSccadq_fcI/s1600/DSCF1437.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://4.bp.blogspot.com/-ESpaTMnT758/U3K9x-8uRgI/AAAAAAAAAYg/HSccadq_fcI/s1600/DSCF1437.JPG" height="300" width="400" /></a></div>
<br />
積極的に尋ねれば、可能な限り対応してくれるのがバール。<br />
お金を支払ったお客様なのか、通りすがりの方なのかは関係なく、あなたに何が必要なのかを人情として考えてくれるのです。<br />
<br />
考えようによれば、日本のコンビニよりもはるかに便利で、融通が効き、助けとなってくれるのが、イタリアのバールです。<br />
ほとんど知られていないバールの活用法を、思う存分試してみてくださいね!<br />
<br />
<br />
【関連バックナンバー】<br />
<br />
<a href="http://www.barbellaitalia.com/2014/01/blog-post.html">デカフェ・カフェインレスのすすめ</a><br />
<a href="http://www.barbellaitalia.com/2013/12/blog-post.html">世界のお茶が集うバール</a><br />
<a href="http://www.barbellaitalia.com/2012/04/blog-post_16.html">スマートなチップの渡し方</a><br />
<a href="http://www.barbellaitalia.com/2012/03/blog-post_09.html">秘蔵ドリンク・スプーマ</a><br />
<a href="http://www.barbellaitalia.com/2012/03/blog-post_03.html">バールのテイクアウト術</a><br />
<a href="http://www.barbellaitalia.com/2012/02/blog-post_08.html">バールで祝う誕生日!</a><br />
<a href="http://www.barbellaitalia.com/2012/01/blog-post_21.html">ミートソースのピッツァ</a><br />
<a href="http://www.barbellaitalia.com/2012/01/blog-post_17.html">惣菜屋・ガストロノミア活用法</a><br />
<a href="http://www.barbellaitalia.com/2012/01/blog-post_11.html">しぼりたてスプレムータ</a><br />
<a href="http://www.barbellaitalia.com/2011/02/blog-post_28.html">バールの新聞</a><br />
<br />
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<br />
1杯のエスプレッソを注文する人が2杯分の代金を支払い、その後に来るであろう見ず知らずの貧しい人のために、1杯分のエスプレッソをストックさせておくのです。<br />
<br />
こうしてストックされたエスプレッソのことを、「カフェ・ソスペーゾ」(Caffè Sospeso)といいます。<br />
支払い済みで提供を「留保されたコーヒー」という意味。<br />
<br />
カフェ・ソスペーゾの数はバリスタが責任を持って管理していて、お金に困った人がバールに来たとき、その範囲内でエスプレッソをサービスするのです。<br />
<br />
わずかワンコインの思いやり。<br />
人情味あふれるイタリア人の、飾らないバールの日常です。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://4.bp.blogspot.com/-XeTrbPc0cHc/U1m7dycA4rI/AAAAAAAAAYQ/LHPcXEu9Atw/s1600/DSCF0778.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://4.bp.blogspot.com/-XeTrbPc0cHc/U1m7dycA4rI/AAAAAAAAAYQ/LHPcXEu9Atw/s1600/DSCF0778.JPG" height="300" width="400" /></a></div>
<br />
イタリアのバールは、社会すべての人々に利用される場所。<br />
<br />
私が勤めるフィレンツェのバールにも、地元出身のイタリア現首相から地域のホームレスまで、社会を構成する老若男女すべての人が訪れます。<br />
<br />
一度バールに入れば、社会的階級や貧富の差はありません。皆が平等にカウンターに肩を並べ、コーヒーを飲み、気軽に声を掛け合い、友人となっていきます。<br />
そして、またそれぞれの生活の場所に戻っていきます。<br />
<br />
そんな光景が日々繰り返されるバールの中は、イタリア社会の縮図であり、あらゆるイタリア文化に触れることができる…。<br />
その中心(カウンター)に身を置いてイタリアを知ることが、私がバリスタという仕事に魅力を感じたひとつの大きな動機でした。<br />
<br />
なかでも実際に感銘を受けたのは、お金がない人も平等にバールを利用できるということ。<br />
それを象徴する習慣がナポリをはじめとするイタリア南部のカフェ・ソスペーゾですが、私が渡り歩いた北・中部のバールでも、社会的弱者がバールという「縮図社会」から疎外されることは決してありません。<br />
<br />
ここでは、バール側が彼らに無償でエスプレッソを淹れます。お腹が空いていれば、ブリオッシュを添えることもありますが、代金を要求することはありません。<br />
あまりにも身なりが汚かったり、異臭すらするようなホームレスには、他のお客様の迷惑にならないように、ビールとパニーノを持たせてさりげなく帰します。<br />
<br />
私がイタリアでバリスタとなった当初、飲食を訊ねて入ってくるホームレスを追い返していましたが、迷惑を掛けまいとした他のお客様や同僚から逆に冷たい視線を浴びたことで、この習慣に気づいたものです…。<br />
<br />
施しを与えるカトリック文化が根底にあるのでしょうが、文化の違いは教わるのではなく、注意深く感じ取るしかありません。日本では最高のサービスだとされるものが、他国では必ずしもそうではないことが細かい部分で多々あり、戸惑いながらもイタリア人の感じる幸せを探っていきました。<br />
<br />
<br />
世界中のどんな国にも、多かれ少なかれ貧富の差はあるもの。<br />
しかし、一人ひとりの一度きりの人生の価値に差はありません。<br />
<br />
貧富の差が生まれるのは避けられませんが、社会的弱者に冷たい視線を向けるのか、温かい一声を掛けるのか、その違いの方こそが、個人の集合体である社会全体の幸福度や成熟度の差になっていくのではないでしょうか。<br />
<br />
衣食住という生きるための最低限の権利と同時に、プラスアルファ、人生を愉しむこともすべての人の権利であるはずです。<br />
人生に潤いと笑顔を与える一番最初のアクションは、イタリアでは1杯のエスプレッソ。<br />
<br />
バールでは、たくさんのステキな笑顔があなたを待っていますよ!<br />
<br />
<br />
【関連バックナンバー】<br />
<a href="http://www.barbellaitalia.com/2014/01/blog-post_21.html">イタリアンバールの格付け最高峰</a><br />
<a href="http://www.barbellaitalia.com/2013/01/blog-post.html">バールで朝食を!</a><br />
<a href="http://www.barbellaitalia.com/2012/02/1.html">日伊友好史(1) - 戦国時代・カトリック宣教師</a><br />
<a href="http://www.barbellaitalia.com/2011/02/blog-post.html">バール『ベッラ・イタリア』オープン!バリスタの役割</a><br />
<br />
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<br />
カナリーノとは、ティーカップにレモンの皮を入れ、お湯を注いだだけのシンプルなホットドリンク。<br />
名前の意味は「カナリア色」。レモンの皮を煎じることで色づく、明るい黄色が由来です。<br />
食後の消化を助ける飲み物として、イタリアの食卓には欠かせない存在です。<br />
<br />
そもそもは、マンマ(お母さん)やノンナ(おばあちゃん)の知恵として代々受け継がれてきた、伝統的な家庭の飲み物。<br />
各家庭で様々なレシピがあり、ローリエやサルヴィア(セージ)などのハーブを加える地域もあります。家庭では、ティーカップよりもグラスに注ぐ方が一般的かもしれませんね。<br />
<br />
イタリア全土で飲まれるカナリーノの起源は定かではありませんが、数世紀以上も昔に生まれたといいます。自然に考えれば、レモンの栽培が盛んなイタリア南部が発祥かと推測することもできるでしょう。<br />
例えばイタリア北部・ヴェネト州では、「リモナータ」と呼ぶこともあるようですが、通常リモナータといえばフレッシュレモンを使ったコールドドリンクのことを指しますし、ネーミングやレシピから発祥の歴史を遡ることは難しいといえます。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://4.bp.blogspot.com/-O1Yf3pu6fzo/U1MjDbivv0I/AAAAAAAAAYA/hjGjjrTenMA/s1600/DSCF0800.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://4.bp.blogspot.com/-O1Yf3pu6fzo/U1MjDbivv0I/AAAAAAAAAYA/hjGjjrTenMA/s1600/DSCF0800.JPG" height="300" width="400" /></a></div>
<br />
本来なら、わざわざバールに赴いてお金を払って頼むようなドリンクではないのですが、<br />
注文する人が後を絶たないのは、その効能にあります。<br />
<br />
消化不良や胃もたれ、さらには吐き気や頭痛をも改善する効果があり、外出先で体調が優れない方がバールに駆け込むわけです。<br />
レモンとお湯さえあれば簡単に出来るので、どんなバールでも作ってもらうことができるのです。<br />
二日酔いにも効くので、私自身もよく作っていますよ!<br />
<br />
ぜひご家庭でもお試しください!<br />
美味しく作るポイントは、ピーラーを使ってレモンの皮を薄く切ること。内側の白い部分は加熱すると不快な苦味が出るので、外側の黄色い部分だけを剥くことです。<br />
熱湯を注いだら5分以上おいて、鮮やかなカナリア色を帯びてくれば完成です。<br />
砂糖やハチミツを加えても美味しいですよ!<br />
<br />
バールでは、コーヒーが苦手な方にもオススメ。<br />
地中海の太陽を浴びたレモンのイメージは、イタリアの優しいマンマの温もりも伝わってくるようです…。<br />
<br />
<br />
【関連バックナンバー】<br />
<a href="http://www.barbellaitalia.com/2014/01/blog-post.html">デカフェ - カフェインレスのすすめ</a><br />
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<a href="http://www.barbellaitalia.com/2012/03/blog-post_09.html">秘蔵ドリンク・スプーマ</a><br />
<a href="http://www.barbellaitalia.com/2012/01/blog-post_11.html">しぼりたてスプレムータ</a><br />
<a href="http://www.barbellaitalia.com/2011/02/blog-post.html">バール『ベッラ・イタリア』オープン!バリスタの役割</a><br />
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ドイツのフランクフルト、オーストリアのウィンナーソーセージ、スペインのチョリソなどは<br />
日本でもお馴染みですね。<br />
<br />
ここイタリアも、実はソーセージ大国だということをご存じですか?<br />
<br />
ソーセージは、イタリア語では「サルシッチャ」(Salsiccia)といいます。<br />
古代よりイタリア全土で食されているサルシッチャは、各地方でカタチも大きさも多種多様ですが、各地の郷土料理を特徴づける主要な食材となっています。<br />
<br />
猪肉や羊肉といった変わり種はあるものの、やはりその多くは豚肉が原料。<br />
一般的には、塩、胡椒、ニンニク、ハーブ類、ワインなどによってすでに味付けがされています。<br />
グリルやボイル、煮込み料理など、たいてい加熱調理されますが、熟成させた種類のものはサラミとして食されます。<br />
<br />
<br />
一般的に日本では、豚肉を生で食べることはタブーとされていますね。<br />
豚がもつウィルスや寄生虫を原因として、食中毒や感染症を引き起こすリスクが高いためです。<br />
日本国内で流通している豚肉はすべて加熱用となっているはずで、充分に火を通せばウィルスは簡単に死滅するので、普段は気にすることもないはずです。<br />
<br />
ところがイタリアでは、サルシッチャを生で食べる地域があるのです!<br />
徹底した細菌検査や防疫飼育された豚の肉が流通しているためで、細菌が繁殖しにくい乾燥した気候条件もあるでしょう。多湿な日本ではなかなか難しいことです。<br />
<br />
サルシッチャを生で食べる地域は、主にイタリア中南部。<br />
なかでもフィレンツェのバールでは、生サルシッチャをはさんだパニーノを手軽に食べることができるので、訪れた際にはぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか?<br />
<br />
腸詰された中身の肉だけを取り出して、パンにはさんだだけ。<br />
特に、スキアッチャータ(Schiacciata)とよばれるフィレンツェ風フォカッチャに、クリーミーなストラッキーノ・チーズと練り合わせた生サルシッチャをはさんだものは定番中の定番。<br />
柔らかな甘味が口いっぱいに広がり、忘れがたい味として虜になる逸品です!<br />
<br />
ただし、やはり衛生管理のしっかりしたバールを選ぶことをオススメします。<br />
ご自身で生サルシッチャを購入する場合は、スーパーではなく精肉店に行き、生食用の新鮮で高品質のサルシッチャをお店の人に出してもらうようにしてください。<br />
<br />
時にグルメは命懸け。<br />
お金を出すだけなら簡単ですが、目利きを通した発見こそが味の醍醐味です!<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://2.bp.blogspot.com/-SNYGrgFdhfM/U03t_qABsOI/AAAAAAAAAXw/sxJBhKNV5f8/s1600/DSCF1392.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://2.bp.blogspot.com/-SNYGrgFdhfM/U03t_qABsOI/AAAAAAAAAXw/sxJBhKNV5f8/s1600/DSCF1392.JPG" height="300" width="400" /></a></div>
<br />
<br />
【関連バックナンバー】<br />
<a href="http://www.barbellaitalia.com/2012/05/blog-post.html">鉄板焼きパニーノ</a><br />
<a href="http://www.barbellaitalia.com/2012/01/blog-post_17.html">惣菜屋・ガストロノミア活用法</a><br />
<a href="http://www.barbellaitalia.com/2011/12/blog-post_30.html">ジェノヴァ名物・フォカッチャ</a><br />
<br />
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<br />Barista Yuskehttp://www.blogger.com/profile/09556821229703776922noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-3873260544393711217.post-77695419463881549962014-01-21T05:28:00.000+01:002014-01-23T07:04:45.614+01:00イタリアンバールの格付け最高峰レストランを格付け評価するガイドブックの代表は、言わずと知れた『ミシュラン』。<br />
ここイタリアでも知名度は高いのですが、フランス的な視点で選ばれるモダンアートとしての料理や高級志向のお店は、伝統的な料理やサービスを求める大多数の一般的なイタリア人にとって、信奉するほどの影響力はありません。<br />
<br />
イタリアの書店に入れば一目瞭然。<br />
『ミシュラン』を見つけることはできなくても、イタリア国内の出版社による格付けガイドブックが<br />
目立つ場所に多数並んでいます。<br />
リストランテ、トラットリア、オステリアなど様々な形態の飲食店を評価し、紹介しています。<br />
<br />
ガンベロ・ロッソ社の『バール・ディタリア』(Bar d'Italia)は、その中でもイタリアのバールを<br />
格付けする唯一のガイドブック。<br />
創刊は2003年と比較的新しいのですが、当初800店舗の掲載でスタートしたものが、<br />
最新の2014年版では1750店舗がエントリー。いずれも厳選された名店ばかりです。<br />
<br />
各店舗の評価基準は2つ。<br />
エスプレッソドリンクの味に対する評価を「コーヒー豆」(Chicco)のマークで表し、<br />
お店の総合評価(店内環境、衛生面、サービス、サイドメニュー、カクテル等)を<br />
「コーヒーカップ」(Tazzina)で表します。<br />
<br />
それぞれの最高点はマーク3つ。<br />
コーヒー豆「3」&コーヒーカップ「3」の満点を獲得したバールは、「年間最優秀バール」(Bar dell'Anno)を選出する「ファイナリスト」とされます。<br />
10年連続で「ファイナリスト」に選ばれたバールには「星」マークが与えられ、殿堂入り扱いと<br />
なります。<br />
<br />
この星付きバールは、2014年版で、イタリア全国でも11店舗しかありません。<br />
<br />
その中の1つ、フィレンツェ郊外にあるバール『トゥットベーネ』(Tuttobene)を取材してきました。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://1.bp.blogspot.com/-MQXfPvCpM0A/Ut3aZXjQQ-I/AAAAAAAAATw/wg6vNF_CbhQ/s1600/DSCF0670.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://1.bp.blogspot.com/-MQXfPvCpM0A/Ut3aZXjQQ-I/AAAAAAAAATw/wg6vNF_CbhQ/s1600/DSCF0670.JPG" height="320" width="240" /></a></div>
<br />
知人を介して紹介されたのが、オーナーのクラウディオ・ペッキオーリ氏(Claudio Pecchioli)。<br />
若い頃、フランスやドイツで修業を重ねた同氏は、1982年にフィレンツェ近郊・カレンツァーノに<br />
バール『トゥカーノ』(Tucano)を開業します。<br />
1996年にカンピ・ビゼンツィオに移転してオープンしたのが『トゥットベーネ』。<br />
『トゥカーノ』からの共同オーナー、マルコ・パスクイーニ氏(Marco Pasquini)と二人三脚で、<br />
現在の確固たる評価を築いてきました。<br />
<br />
朝食にはやや遅い朝10時半にお店に着いたのですが、カウンターには様々な種類の<br />
ブリオッシュが鮮やかに並び、第一印象から心が躍ります。<br />
同店は天然酵母によるペストリーに特に力を入れており、ペッキオーリ氏が語る天然酵母の<br />
未来像にも熱が入ります。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://1.bp.blogspot.com/-6DuzCuKXTqQ/Ut3ajvPV8xI/AAAAAAAAAT4/20h0H6uQGTI/s1600/DSCF0575.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://1.bp.blogspot.com/-6DuzCuKXTqQ/Ut3ajvPV8xI/AAAAAAAAAT4/20h0H6uQGTI/s1600/DSCF0575.JPG" height="240" width="320" /></a></div>
<br />
カプチーノのクオリティの高さは圧倒的という他ありません。<br />
艶やかなフォームドミルクと香ばしいエスプレッソが渾然一体となって口の中で広がります。<br />
コーヒー豆はボローニャの焙煎所に特注したもので、ミルクは地元酪農家から仕入れています。<br />
<br />
ペッキオーリ氏がカウンターに入れてくれ、バリスタのマウリツィオ・メニケッティ氏(Maurizio Menichetti)の説明で、エスプレッソドリンクのサービスの流れを目の前でしばらく観察します。<br />
<br />
一度に7杯を同時に抽出し続ける4連式のエスプレッソマシンや、広いカウンターの作業台は、<br />
忙しい時間帯にも関わらず常に清潔に整えられています。<br />
これはとても大事なことなのですが、実際には思うほど簡単なことではありません。<br />
<br />
カウンターに波のように人が埋め尽くす時間帯では、経験の浅いバリスタではドリンクを出す<br />
だけでも手一杯でしょう。コーヒーの粉ひとつ、水滴ひとつ残さず整えられたカウンター内を<br />
見るだけでも、バリスタのレベルの高さを知ることができます。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://4.bp.blogspot.com/-GKp_TQWv_o4/Ut3ayT8jgbI/AAAAAAAAAUA/E2sBbii3Cs0/s1600/DSCF0618.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://4.bp.blogspot.com/-GKp_TQWv_o4/Ut3ayT8jgbI/AAAAAAAAAUA/E2sBbii3Cs0/s1600/DSCF0618.JPG" height="150" width="200" /></a><a href="http://1.bp.blogspot.com/-gsMhNUdMwoQ/Ut3bR_Uz2gI/AAAAAAAAAUQ/EaP7ePpmE1o/s1600/DSCF0637.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://1.bp.blogspot.com/-gsMhNUdMwoQ/Ut3bR_Uz2gI/AAAAAAAAAUQ/EaP7ePpmE1o/s1600/DSCF0637.JPG" height="150" width="200" /></a></div>
<br />
メニケッティ氏は、完璧なカプチーノの作り方の工程をすべて丁寧に説明してくれました。<br />
自信があるバリスタほど、その技術はオープンにするものです。<br />
約30秒の一見シンプルな工程も、途方もない経験の上でしか微調整ができないものですから。<br />
<br />
イタリアでは多くのバールを訪れましたが、ここで初めて目にしたのが、ミルクの保冷タンク。<br />
常に適温に冷やされ、蛇口からミルクピッチャーにその都度適量注ぐことができるもの。<br />
通常はミルクパックを冷蔵庫から出し入れするのが普通なので、これは便利です!<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://3.bp.blogspot.com/-dIEm9LEKrWY/Ut3bGfmT6-I/AAAAAAAAAUI/pfVKAHXGjtg/s1600/DSCF0646.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://3.bp.blogspot.com/-dIEm9LEKrWY/Ut3bGfmT6-I/AAAAAAAAAUI/pfVKAHXGjtg/s1600/DSCF0646.JPG" height="320" width="240" /></a></div>
<br />
続いてペッキオーリ氏が案内してくれたのは、別棟の調理室。<br />
すでにランチの仕込みは最終段階で、翌日のペストリーの仕込みも始まっていました。<br />
<br />
若きシェフのダヴィデ・ナルドーニ氏(Davide Naldoni)が次々とランチの料理を仕上げ、<br />
他のコックたちは翌日のペストリーの仕込みをしています。<br />
前日に準備して冷凍庫に保管された菓子類は、夜には35℃に設定された発酵庫に移され、<br />
翌日早朝4時からオーブンで焼かれるという流れ。<br />
<br />
自然発酵への愛情は、生地をこねる指先にまで感じることができました。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://2.bp.blogspot.com/-b4QtiED_6dU/Ut3brPnwnmI/AAAAAAAAAUY/H9A1F6i2APw/s1600/DSCF0661.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://2.bp.blogspot.com/-b4QtiED_6dU/Ut3brPnwnmI/AAAAAAAAAUY/H9A1F6i2APw/s1600/DSCF0661.JPG" height="240" width="320" /></a></div>
<br />
この別棟にある倉庫や従業員のロッカールームも特別に通してくれました。<br />
50名以上の従業員が出入りする裏方とは思えないほど、まるでホテルのように清潔そのもので、<br />
仕事に入る前の基本的なプロ意識を目の当たりにした思いです。<br />
このようなバールはこれまで見たことがありません!<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://4.bp.blogspot.com/-PctApH0Neq8/Ut3byiCrdGI/AAAAAAAAAUg/KYl1dOj6av8/s1600/DSCF0655.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://4.bp.blogspot.com/-PctApH0Neq8/Ut3byiCrdGI/AAAAAAAAAUg/KYl1dOj6av8/s1600/DSCF0655.JPG" height="150" width="200" /></a><a href="http://2.bp.blogspot.com/-y8mb-mRcgjo/Ut3b3YEB5fI/AAAAAAAAAUo/-2-09bB0jBI/s1600/DSCF0663.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://2.bp.blogspot.com/-y8mb-mRcgjo/Ut3b3YEB5fI/AAAAAAAAAUo/-2-09bB0jBI/s1600/DSCF0663.JPG" height="150" width="200" /></a></div>
<br />
再びバールに戻り、ランチをいただきます。<br />
惣菜専門店・ガストロノミアとして単独でも営業できるほどの料理がショーケースに並びます。<br />
いや、品質はほぼリストランテそのもの!<br />
パスタは注文ごとに茹でてソースと和え、いずれもそのスピードは迅速。<br />
付近のビジネスマンやOLなど多くのお客さんでランチタイムは盛況です。<br />
<br />
卓上のオリーブオイルも地元の一級品で、太陽を存分に浴びたオリーブ林の極上の香りは、<br />
ひとときのヴァカンスにいざなうほどのリラクゼーションをもたらしてくれます。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://3.bp.blogspot.com/-odtdFEj6Odg/Ut3cDTNbbTI/AAAAAAAAAUw/YxCFcPSIzUI/s1600/DSCF0496.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://3.bp.blogspot.com/-odtdFEj6Odg/Ut3cDTNbbTI/AAAAAAAAAUw/YxCFcPSIzUI/s1600/DSCF0496.JPG" height="240" width="320" /></a></div>
<br />
私もランチのテーブルにつきます。<br />
ワインにも精通するバリスタのメニケッティ氏がすぐに選りすぐりの食前酒を持ってきてくれました。<br />
イタリア各地の厳選されたワインを選べるのも魅力です。<br />
<br />
食事中は常に声をかけてくれ、最後の一口が胃に達するタイミングですばやくお皿を下げる、<br />
徹底したサービス。<br />
ホールだけではなく、カウンターからも各テーブルの動向を瞬時にコントロールするチームワークには脱帽するしかありませんでした。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://3.bp.blogspot.com/-7z97X61vwYo/Ut3dMKoZftI/AAAAAAAAAVI/Q7GtDlkfNKo/s1600/DSCF0669.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://3.bp.blogspot.com/-7z97X61vwYo/Ut3dMKoZftI/AAAAAAAAAVI/Q7GtDlkfNKo/s1600/DSCF0669.JPG" height="150" width="200" /></a><a href="http://3.bp.blogspot.com/-4E9D-QxX1c0/Ut3dH3_RMhI/AAAAAAAAAU8/vc8vTCBXBIA/s1600/DSCF0667.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://3.bp.blogspot.com/-4E9D-QxX1c0/Ut3dH3_RMhI/AAAAAAAAAU8/vc8vTCBXBIA/s1600/DSCF0667.JPG" height="150" width="200" /></a></div>
<br />
天然酵母のペストリーに力を入れる同店では、ドルチェ(デザート)の種類も多彩です。<br />
ランチの間も、テイクアウトのタルトが次々に包装されていきます。<br />
私のテーブルに運ばれたドルチェも、味は言うまでもなく、メニケッティ氏セレクトによるデザートワインのサービスに心を打たれました。<br />
イタリア各地の洗練されたデザートワインは、ドルチェの優雅な時間と味わいを増幅させます。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://1.bp.blogspot.com/-RTK32aBgQaQ/Ut3oVCibloI/AAAAAAAAAVs/vtN_54IST4U/s1600/DSCF0584.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://1.bp.blogspot.com/-RTK32aBgQaQ/Ut3oVCibloI/AAAAAAAAAVs/vtN_54IST4U/s1600/DSCF0584.JPG" height="150" width="200" /></a><a href="http://4.bp.blogspot.com/-fVW5wPZIx9c/Ut3okKuySwI/AAAAAAAAAV8/7JK4XyxJ7ts/s1600/DSCF0585.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://4.bp.blogspot.com/-fVW5wPZIx9c/Ut3okKuySwI/AAAAAAAAAV8/7JK4XyxJ7ts/s1600/DSCF0585.JPG" height="200" width="150" /></a></div>
<br />
オーナーのペッキオーリ氏は、穏やかな口調で親身に話をしてくださる間も、その鋭い眼光は<br />
絶えずお店の動向をチェックしています。<br />
地元のコミュニティとしての空間に常連客が次々と顔を出し、挨拶をするペッキオーリ氏は一人ひとりを家族のように迎えます。<br />
<br />
地元の産業と連携して食や生活スタイルを発信するバールの姿は、店内のあちこちに散りばめられています。<br />
無添加の自然食材である地元農家のパスタ、オリーブオイル、トマトピューレ、ハチミツ、ジャムなどが並び、地元の一流職人が手がける家具やナイフなどもオブジェとして彩ります。<br />
驚くことは、これらはすべてその場で購入できるということ!<br />
<br />
世界中から集められたお酒も、希少な良質銘柄を揃えています。<br />
ワイン、ビール、グラッパ、ウィスキー、カルヴァドス、コニャック、アルマニャック、ラム酒…。<br />
世界各地のお茶も揃え、どんな時間に訪れても、至極の時間が約束されているようなもの。<br />
<br />
新聞各紙や料理本なども販売しています。<br />
新進アーティストによる月替わりの展示は、オブジェにアクセントを加え、地元の生活・食・アートを推進していく情報の集積・発信地としての役割は充分。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://3.bp.blogspot.com/-zcnw-Rc1--I/Ut3n6fiIFnI/AAAAAAAAAVU/hikL_nudnT4/s1600/DSCF0579.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://3.bp.blogspot.com/-zcnw-Rc1--I/Ut3n6fiIFnI/AAAAAAAAAVU/hikL_nudnT4/s1600/DSCF0579.JPG" height="150" width="200" /></a><a href="http://1.bp.blogspot.com/-68_vyZf9MYQ/Ut3oMBsLO0I/AAAAAAAAAVk/kL7wg41sdBA/s1600/DSCF0570.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://1.bp.blogspot.com/-68_vyZf9MYQ/Ut3oMBsLO0I/AAAAAAAAAVk/kL7wg41sdBA/s1600/DSCF0570.JPG" height="150" width="200" /></a></div>
<br />
イタリアのバールは単なる喫茶店ではなく、様々な形態の複合的要素をもつものですが、<br />
ここではいずれもクオリティの高さを誇り、ひとつの理想郷を体現しています。<br />
<br />
コーヒーカップの中、お皿の中、だけではなく、それらの外にこそバールの重要な存在意義はあり、人の心を満たすものが何であるかを感じさせてくれる空間こそが、バールなのです。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://1.bp.blogspot.com/-nS9QhwQTUVs/Ut3qxoOmp_I/AAAAAAAAAWI/1mp8MKmnCXk/s1600/DSCF0581.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://1.bp.blogspot.com/-nS9QhwQTUVs/Ut3qxoOmp_I/AAAAAAAAAWI/1mp8MKmnCXk/s1600/DSCF0581.JPG" height="150" width="200" /></a><a href="http://4.bp.blogspot.com/-f9Cad9F-Qfk/Ut3q09DHz6I/AAAAAAAAAWQ/AifCIqzDIjo/s1600/DSCF0624.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://4.bp.blogspot.com/-f9Cad9F-Qfk/Ut3q09DHz6I/AAAAAAAAAWQ/AifCIqzDIjo/s1600/DSCF0624.JPG" height="150" width="200" /></a></div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://3.bp.blogspot.com/-E0y3VRPheDE/Ut3q9PpV41I/AAAAAAAAAWY/mlJr1aO9_U8/s1600/DSCF0658.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://3.bp.blogspot.com/-E0y3VRPheDE/Ut3q9PpV41I/AAAAAAAAAWY/mlJr1aO9_U8/s1600/DSCF0658.JPG" height="240" width="320" /></a></div>
<br />
格付けガイドブックには賛否両論あるでしょう。<br />
『バール・ディタリア』にも大手焙煎メーカーのイリー社をはじめとするスポンサーが付いていることから、その影響力を否定する人がいないのも事実です。<br />
<br />
しかし、プロの視点から評価される店舗には、少なからず他店にはない特徴的な「売り」があるわけで、格付けの評価の度合いは別として、そこに掲載されること自体に価値があるというもの。<br />
<br />
評価点は、バールを訪れるあなた自身が感じてみてください。<br />
1ユーロのエスプレッソを覗き込めば、1ユーロ分のカフェインしかありませんが、顔を上げてバリスタの声を聞けば、それ以上の価値となる活力を得ることができるでしょう。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://2.bp.blogspot.com/-Tl_QaMkxB90/Ut3zXjPbf8I/AAAAAAAAAWo/3o1-cp4p-LU/s1600/DSCF0505.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://2.bp.blogspot.com/-Tl_QaMkxB90/Ut3zXjPbf8I/AAAAAAAAAWo/3o1-cp4p-LU/s1600/DSCF0505.JPG" height="240" width="320" /></a></div>
<br />
<br />
バール「トゥットベーネ」<br />
"Tuttobene" / Via San Quirico 296 - Campi Bisenzio (FI)<br />
<a href="http://tuttobene-bar.it/">http://tuttobene-bar.it/</a><br />
<br />
ガンベロ・ロッソ公式サイト<br />
<a href="http://www.gamberorosso.it/">http://www.gamberorosso.it/</a>(イタリア語・英語)<br />
<br />
<br />
【関連バックナンバー】<br />
<a href="http://www.barbellaitalia.com/2013/01/blog-post.html">バールで朝食を!</a><br />
<a href="http://www.barbellaitalia.com/2012/01/blog-post_17.html">惣菜屋・ガストロノミア活用法</a><br />
<a href="http://www.barbellaitalia.com/2012/05/blog-post_24.html">ドルチェの新潮流</a><br />
<a href="http://www.barbellaitalia.com/2013/12/blog-post.html">世界のお茶が集うバール</a><br />
<br />
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<br />Barista Yuskehttp://www.blogger.com/profile/09556821229703776922noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-3873260544393711217.post-42695261392529312102014-01-02T06:25:00.001+01:002014-01-02T06:36:46.549+01:00デカフェ - カフェインレスのすすめ日本ではカフェインレス・コーヒーはずいぶん昔からある商品ですが、ここ数年耳にするように<br />
なった呼び名が「デカフェ」。<br />
大手コーヒーチェーン店などでも取り扱うようになり、街中でも気軽にデカフェを楽しめるように<br />
なってきました。<br />
<br />
欧米ではとても一般的なデカフェは、ここイタリアでも非常にポピュラーな存在で、デカフェを<br />
扱っていないバールはまずありません。<br />
<br />
イタリア語では「カフェ・デカフェイナート」(Caffè Decaffeinato)といい、略して「デカ」(Deca)。<br />
家庭用デカフェの代表的商品名から「アグ」(Hag)と呼ばれることも少なくありません。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://1.bp.blogspot.com/-y2x49LciojY/UsTUxpyAVHI/AAAAAAAAATY/48D8vpd9Crg/s1600/DSCF0766.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="http://1.bp.blogspot.com/-y2x49LciojY/UsTUxpyAVHI/AAAAAAAAATY/48D8vpd9Crg/s320/DSCF0766.JPG" width="320" /></a></div>
<br />
エスプレッソをベースにすべてのコーヒードリンクをつくるイタリアのバールでは、<br />
通常のエスプレッソの代わりにデカフェをつかうことで、どんなコーヒーもカフェイン抜きで<br />
楽しむことができるのです。<br />
<br />
注文はいたってカンタン。<br />
頼みたいコーヒーの後に「デカ」または「デカフェイナート」を添えるだけ。<br />
<br />
カプチーノ・デカフェイナート<br />
カフェ・マッキアート・デカフェイナート<br />
カフェ・アメリカーノ・デカフェイナート<br />
カフェ・マロッキーノ・デカフェイナート<br />
カフェ・コレット・デカフェイナート…などなど。<br />
<br />
<br />
バリスタとしてカウンターで注文を受ける印象としては、10-15杯に1杯はデカフェのオーダーが<br />
入るのではないでしょうか。それほどイタリアでは一般的な存在です。<br />
<br />
朝方よりも夜にかけてオーダーの数は増える傾向にあります。<br />
もともとカフェイン自体が苦手でデカフェしか飲まないお客さんもいますが、睡眠の妨げにならないよう夜だけカフェインを避ける人が多いためです。<br />
<br />
ある一定の一日の杯数以上はデカフェを頼むと決めているお客さんもいます。<br />
また、胃腸の調子が悪いときや、妊娠中など、カフェインの刺激を避けることが望ましいお客さんには、こちらからお勧めをすることもあります。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://2.bp.blogspot.com/-l-UeMpBI4jk/UsTU7IF9qMI/AAAAAAAAATg/sR8G0qbkN0A/s1600/DSCF0752.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="http://2.bp.blogspot.com/-l-UeMpBI4jk/UsTU7IF9qMI/AAAAAAAAATg/sR8G0qbkN0A/s320/DSCF0752.JPG" width="320" /></a></div>
<br />
36年のキャリアをもつベテラン・バリスタ、イシドーロ・ヴォドラ氏に、イタリアでのデカフェに<br />
ついて話を聞きました。<br />
<br />
ヴォドラ氏によると、粗悪なものしか流通していなかったデカフェに、良質なものが登場したのが1950年代後半。それから一気に広まったといいます。<br />
<br />
現在イタリアで流通しているデカフェでは、カフェインを除去する製造工程は大きく分けて2つ。<br />
「ケミカル・メソッド」と、「ウォーター・メソッド」です。<br />
<br />
ケミカル・メソッドは、塩化メチレンなどの有機溶媒を利用してカフェインを直接除去するもの。<br />
一方、ウォーター・メソッドは、一度水または蒸気で生豆の水溶性成分をすべて抽出した後に、<br />
有機溶媒でカフェインのみを除去し、残りの成分を含む水を再び生豆に循環して戻す方法。<br />
<br />
ケミカル・メソッドよりもウォーター・メソッドの方が手間はかかりますが、安全性や風味が優れているのが特徴です。<br />
<br />
製造方法の明示は義務化されていないため、店頭でその違いを見極めることは難しいのですが、デカフェしか飲まないお客さんにとっては、エスプレッソ以上に味の違いが出るデカフェの風味は、お店を選ぶ重要な要素になっています。<br />
<br />
味の違いは、むしろバリスタの腕によるところも大きいのです。<br />
デカフェ用にグラインダー(豆を挽くマシン/ミル)を用意しているお店は少なく、多くのお店ではすでに挽かれた粉を一杯ごとにパッケージングされたものを使います。<br />
通常エスプレッソでは7-8gの豆を使うのですが、デカフェでは約5gと少なく、ここで重要になるのは、より厳密で正確なタンピング。<br />
<br />
イタリアのお客さんは、味の良し悪しをカウンターで直接バリスタに伝えることは日常的ですが、<br />
デカフェを美味しく抽出したときは、興奮気味に感動を伝えてくれるほど!<br />
バリスタにとっては、腕の試される、とてもやりがいのあるオーダーだといえるでしょう。<br />
<br />
<br />
ただし、通常のエスプレッソ・コーヒーよりも味や風味において明らかに劣ることから、<br />
カフェインを避ける場合以外は通常こちらからお勧めすることはありません。<br />
また、ノンアルコール・ビールと同様、デカフェにもごく微量のカフェインは残っていることも<br />
覚えておいてくださいね。<br />
<br />
イタリア旅行の際、慣れない海外では体調にはくれぐれも注意したいもの。<br />
胃腸にあまり刺激を与えたくないときは、無理せずデカフェを頼みましょう!<br />
それぞれ個性的で魅力的なバールを数多く楽しむためにも、ぜひデカフェを活用してみてくださいね!<br />
<br />
<br />
■ イシドーロ・ヴォドラ氏<br />
イタリア南部・ポテンツァ出身。フィレンツェ移住後の1978年、20歳のときにバリスタ初勤務。<br />
以来、36年間のキャリアを積む現役ベテラン・バリスタ。<br />
特に1981年からの17年間は、イタリアの代表的カクテル・ネグローニを生んだ名店「ジャコーザ」で<br />
バリスタを務め、フィレンツェのバール業界の変遷を見続けてきた第一人者でもある。<br />
<br />
<br />
【関連バックナンバー】<br />
<a href="http://www.barbellaitalia.com/2012/05/blog-post_31.html">カフェ・コレット</a><br />
<a href="http://www.barbellaitalia.com/2012/04/blog-post_21.html">ネグローニ伯爵のカクテル</a><br />
<br />
<br />
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<br />
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いずれも「テ」と読み、つまりお茶のこと。ここでは一般的に紅茶のことを指します。<br />
<br />
たいてい、いくつかの種類のティーバッグを用意しているのですが、選んでもらおうにも、<br />
イタリア人は実に無頓着。<br />
面倒そうな表情で、「紅茶は紅茶。他に何の種類がある?」と真顔で言われてしまうほど…。<br />
<br />
<i>「テ・アル・ラッテ」(Tè al Latte) = ミルクティー</i><br />
<i>「テ・アル・リモーネ」(Tè al Limone) = レモンティー</i><br />
こうした注文を受ければ、少しばかりの手ごたえは感じるもの。<br />
<br />
<i>「テ・ネーロ」(Tè Nero) = 紅茶</i><br />
<i>「テ・ヴェルデ」(Tè Verde) = 緑茶</i><br />
緑茶は比較的新しいメニューなので、こうして区別して注文を受けることも増えてきました。<br />
<br />
視覚的にティーバッグを選べるバールもありますが、そうでない多くのバールでは<br />
バリスタに尋ねることになります。<br />
どのような紅茶を用意しているものなのか、事前に知っておくのもいいでしょう。<br />
<br />
<span style="color: #e06666;">ダージリン</span>(Darjeeling) - 繊細な香り高さをもつ、世界三大紅茶のひとつ。ストレートティー向き。<br />
<span style="color: #e06666;">セイロン</span>(Ceylon) - スリランカ原産。イタリア語では「チェイロン」と呼ばれることに注意。<br />
<span style="color: #e06666;">アールグレイ</span>(Earl Grey) - 柑橘類のベルガモットが香るフレーバーティー。ミルクティー向き。<br />
<span style="color: #e06666;">イングリッシュ・ブレックファスト</span>(English Breakfast) - 強い渋味のブレンド。ミルクティー向き。<br />
<br />
以上は定番であり、バールによってはさらに種類を多く揃えているところもあります。<br />
こくが強くミルクと相性の良い<span style="color: #e06666;">アッサム</span>(Assam)や、<span style="color: #e06666;">ヴァニラ</span>や<span style="color: #e06666;">ピーチ</span>などのフレーバーティー、<br />
<span style="color: #e06666;">ミント風味の紅茶</span>(Tè alla Menta)、<span style="color: #e06666;">バラの花茶</span>(Tè alla Rosa)など…。<br />
<br />
しかし例えば、単に「緑茶」とだけ書かれたティーバッグを見るたび、どうも首をかしげてしまうのは、私が日本人だからでしょうか。どの国で生産され、どんな種類の茶葉で、どのような等級なのか、まったく姿が見えないあまりにも抽象的すぎる「緑茶」…。<br />
<br />
「緑茶は緑茶。他に何の種類がある?」という質問には、「緑茶」のティーバッグだけを<br />
手にしては、それこそ何も答えることができないのです…。<br />
<br />
バールの主役・カプチーノが注がれるはずのコーヒーカップも、ティーバッグとお湯だけ<br />
添えられて、それを送り出す作り手側にもなんだか寂しげに映ります。<br />
<br />
コーヒーが主流のイタリアでは、お茶を注文すればバリスタから「体調でも悪いの?」と<br />
心配されることは珍しくなく、どこかネガティブな感じさえまとうような、そんな存在が「テ」でした。<br />
<br />
ところがここ数年、コーヒーの脇役でしかなかったそんな「テ」に、激変が起こっているのです!<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://4.bp.blogspot.com/-XmT7OagyBkY/UpA7u_MVHHI/AAAAAAAAASo/HHZE1i11XHs/s1600/DSC08306.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="http://4.bp.blogspot.com/-XmT7OagyBkY/UpA7u_MVHHI/AAAAAAAAASo/HHZE1i11XHs/s320/DSC08306.JPG" width="320" /></a></div>
<br />
大都市を中心に、世界中の選りすぐりの本格的な茶葉を扱うバールが増えているのです。<br />
デザイン性の優れた優雅で上品なティーカップやティーポット、さらには中国や日本の伝統的な茶器を扱うバールも珍しくありません。<br />
<br />
専用の茶筒で温度や湿度を厳重に管理された茶葉は、多種多様。<br />
アジアからは、中国、日本、インド、スリランカ、ネパールなど実に豊富な種類が揃います。<br />
モロッコの甘い<span style="color: #e06666;">ミントティー</span>(Tuareg)をはじめとするアフリカ・中東からは、ケニア、トルコなども<br />
エントリー。南米パラグアイの<span style="color: #e06666;">マテ茶</span>(Matè)も独特の専用茶器とともに広く知られています。<br />
<br />
まるでワインリストからワインを選ぶように、ティーリストに目を通す時間が至福のひととき…。<br />
こうしたバールが爆発的に増え、今では地方の小さなまちでも多くのバールが世界のお茶を<br />
扱うようになりました。<br />
<br />
年配者から若者まで、驚くほど多くの家庭でも茶器と茶葉を揃えています。<br />
お茶を嗜み、お茶で客をもてなすことが一種のステータスとなっているのです!<br />
<br />
こうした流行もあって、イタリア人は日本茶についてもよく知っています。<br />
<span style="color: #e06666;">番茶</span>(Bancha)、<span style="color: #e06666;">煎茶</span>(Sencha)、<span style="color: #e06666;">ほうじ茶</span>(Hojicha)、<span style="color: #e06666;">玄米茶</span>(Genmaicha)、<span style="color: #e06666;">茎茶</span>(Kukicha)、<br />
<span style="color: #e06666;">玉露</span>(Gyokuro)、<span style="color: #e06666;">抹茶</span>(Matcha)などは、もはや定着した外来語となっています。<br />
<br />
近年の健康志向の高まりで、コーヒーによる過度のカフェイン摂取を避ける人が増え、<br />
カテキンやビタミンなどの有効成分を豊富に含むお茶の効能が注目されることによって、<br />
特に知識階級を中心に高級な嗜好品としての関心が広まったことが、この流行を<br />
後押ししています。<br />
<br />
イタリアでは東洋人のバリスタはまだまだ希少な存在ですが、コーヒー以上にお茶を充実させるバールすら出現している現状では、そこに大きな説得力を与える一面も生まれています。<br />
コーヒーと並んでアルコールやカクテル、ワインなど幅広い知識を求められるバリスタには、<br />
お茶の基本的な知識を学ぶことは今や急務となっています。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://2.bp.blogspot.com/-aZc2pru4QAI/UpA73fHNwLI/AAAAAAAAASw/y-6eyIBfm4o/s1600/DSC08308.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="http://2.bp.blogspot.com/-aZc2pru4QAI/UpA73fHNwLI/AAAAAAAAASw/y-6eyIBfm4o/s320/DSC08308.JPG" width="320" /></a></div>
<br />
観光等でイタリアのバールを利用される日本の方々にとっては、より利用価値のある<br />
場所となったかもしれませんね。<br />
重厚な歴史を誇る大聖堂(ドゥオーモ)の前で日本茶をすする…なんて、ある意味贅沢です。<br />
<br />
もちろんテイクアウトもできますし、なかには水筒持参で注文してくるお客さんもいます。<br />
列車や車での移動の他、バールなどない山間部のトレッキングに出発する前などにも、<br />
重宝する方法ですね!<br />
<br />
立ち飲みが主流のバールでも、やはりお茶はテーブル席で飲むのが一般的。<br />
ゆったりとした時間の流れに心をまかせることができるのが、お茶の一番の効能でしょう。<br />
<br />
お湯のおかわりは基本的に無料なので、臆せず頼んでみてください。<br />
レモンかミルクを添えるか、バリスタも丁寧に訊いてきますよ!<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://1.bp.blogspot.com/-a6NgyQEINag/UpA797XiPcI/AAAAAAAAAS4/GPPJB13u530/s1600/DSC08304.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="320" src="http://1.bp.blogspot.com/-a6NgyQEINag/UpA797XiPcI/AAAAAAAAAS4/GPPJB13u530/s320/DSC08304.JPG" width="240" /></a></div>
<br />
ところで、日本ではポピュラーなアイスティーですが、イタリアではペットボトルかアルミ缶の<br />
市販品しか扱っていません。甘味料・着色料満載で、決して身体に良いとはいえないもの。<br />
それも、レモン味かピーチ味のどちらかしかなく、約10年ほど前に新発売された緑茶味も<br />
かなり甘く仕上がっていて、日本人には大きな違和感を感じる代物です…。<br />
<br />
濃いめに淹れたお茶をシェーカーで急冷する方法はあるのですが、こうしたアイデアも<br />
需要も無いのがイタリアの現状です。<br />
しかし、夏には眩しく強い日差しがそそぐイタリア。輝く地中海を目の前に、自然の香りいっぱいのアイスティーは必ずマッチするはずです。南イタリア・ナポリ地方特産の瑞々しいレモンと合わせれば、それこそイタリア的ではありませんか!<br />
<br />
そんな光景が日常のものとなるよう、まずは私が積極的に発信していきたいと思っています。<br />
<br />
<br />
撮影協力/「ラ・ヴィア・デル・テ」<br />
"LA VIA DEL TÈ" / Piazza Ghiberti, 22/23r - Firenze<br />
<a href="http://laviadelte.it/">http://laviadelte.it/</a>(イタリア語・英語)<br />
<br />
<br />
【関連バックナンバー】<br />
<a href="http://www.barbellaitalia.com/2012/12/blog-post_16.html">高麗人参のエスプレッソ</a><br />
<a href="http://www.barbellaitalia.com/2012/03/blog-post_03.html">バールのテイクアウト術</a><br />
<br />
<br />Barista Yuskehttp://www.blogger.com/profile/09556821229703776922noreply@blogger.com4tag:blogger.com,1999:blog-3873260544393711217.post-80013453318632098972013-12-13T08:06:00.000+01:002013-12-13T08:06:47.775+01:00本田選手・ACミラン移籍決定!サッカー日本代表・本田圭佑選手のACミラン移籍が、正式に発表されました!<br />
4年間在籍したCSKAモスクワの契約満了にともなう完全移籍です。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://4.bp.blogspot.com/-tiHAwOHlgwc/UqqpZQmZWEI/AAAAAAAAATI/FpKgzPW4rwY/s1600/DSCF0773.JPG" imageanchor="1"><img border="0" height="240" src="http://4.bp.blogspot.com/-tiHAwOHlgwc/UqqpZQmZWEI/AAAAAAAAATI/FpKgzPW4rwY/s320/DSCF0773.JPG" width="320" /></a></div>
<br />
<br />
<b>---セリエA 10人目の日本人選手</b><br />
<br />
イタリアサッカーリーグ・セリエAへの日本人選手の移籍は、2010-11年シーズンから<br />
チェゼーナに移籍した長友佑都選手以来、10人目になります。<br />
その長友選手も、2011年1月の冬の移籍市場で名門インテルに電撃移籍しましたね!<br />
<br />
ここで、セリエAでプレーした日本人選手を、もう一度振り返ってみましょう。<br />
(出場試合数と得点は、昨シーズンまでのリーグ戦のみの通算成績)<br />
<br />
FW 三浦知良: 21試合1得点 (1994-95 / Genoa)<br />
MF 中田英寿: 182試合24得点 (1998-2005 / Perugia - Roma - Parma - Bologna - Fiorentina)<br />
MF 名波浩: 24試合1得点 (1999-2000 / Venezia)<br />
MF 中村俊輔: 81試合11得点 (2002-2005 / Reggina)<br />
FW 柳沢敦: 44試合0得点 (2003-2006 / Sampdoria - Messina)<br />
MF 小笠原満男: 6試合1得点 (2006-2007 / Messina)<br />
FW 大黒将志: 10試合0得点 (2006-2008 / Torino)<br />
FW 森本貴幸: 104試合19得点 (2006-2013 / Catania - Novara - Catania)<br />
DF 長友佑都: 89試合4得点 (2010- / Cesena - Inter)<br />
MF 本田圭佑: (2014- / AC Milan)<br />
<br />
活躍した選手と、そうでない選手、結果はそれぞれですが、技術力は関係ありません。<br />
イタリア語を覚え、チームメートと積極的にコミュニケーションをとった選手が成功しています。<br />
本田選手も英語は堪能だと聞きますし、前所属CSKAモスクワではロシア語も覚えたとのこと。<br />
イタリアでも必ずチームでリーダーシップを発揮してくれることでしょう。<br />
<br />
<br />
<b>---世界的名門クラブ</b><br />
<br />
ACミランの創設は1899年。その歴史・実績ともに充分の、名門中の名門チームです。<br />
セリエA優勝は、ユヴェントスに次ぐ18回で、インテルと並んで歴代2位。<br />
欧州チャンピオンズリーグでも、レアル・マドリード(スペイン)に次ぐ歴代2位の優勝7回を誇り、<br />
その輝かしい戦績はまさにサッカー界の歴史そのものです。<br />
<br />
おのずとその人気も世界レベル。<br />
チームカラーの赤と黒から「ロッソネーリ(Rossoneri)」との愛称で呼ばれ、<br />
「ミラニスタ(Milanista)」と呼ばれるサポーターは地元ミラノにとどまらず、<br />
イタリア全国、さらには世界中に多くのファンをもっています。<br />
<br />
日本での人気は、1989年・1990年に、欧州王者としてトヨタカップを2連覇した時からでしょうか。<br />
フリット、ファン・バステン、ライカールトのいわゆる「オランダトリオ」を擁する強力な攻撃陣と、<br />
主将バレージ率いる堅固な守備陣が繰り広げる完璧なサッカーは、開催地・日本のサッカー<br />
ファンを大いに魅了しました。<br />
<br />
たとえミラニスタでなくとも、ACミランに所属した数多くのスター選手には、誰もが憧れを<br />
抱いたのではないでしょうか。<br />
<br />
ボバン(クロアチア)、レオナルド(ブラジル)、シェフチェンコ(ウクライナ)、ルイ・コスタ(ポルトガル)、カカ(ブラジル)、セードルフ(オランダ)といった外国人選手から、ドナドーニ、マルディーニ、コスタクルタ、ネスタ、ガットゥーゾ、ピルロ、インザーギといったイタリア人選手まで、彼らはACミランの象徴ともいうべき存在。<br />
<br />
さらにここで一時期を過ごしたバッジォ(イタリア)、ロナウド、ロナウジーニョ(ブラジル)、<br />
ベッカム(イングランド)ら、世界的スターの名前も挙げればきりがありません。<br />
<br />
もちろん、世界中の監督にとっても、ACミランを指揮することはこれ以上ない栄誉。<br />
1998-99年シーズンには、現日本代表のザッケローニ監督が率いてリーグ優勝。<br />
これにより、同氏は名将としての地位を確立しています。<br />
<br />
<br />
<b>---背番号「10番」</b><br />
<br />
こうしたスター集団の中で、今回本田選手がエースナンバー・背番号「10番」を継承することが、<br />
最大のサプライズではないでしょうか。<br />
<br />
イタリアでの本田選手の知名度は、欧州での活躍もあってもともと高いものでしたが、<br />
移籍成立目前で破たんした1年前のラツィオ、半年前のACミランとの交渉過程は、<br />
日々盛んに報道され、もはやカリスマ性をもって実力を高く評価されています。<br />
<br />
日本人初のビッグクラブ加入となった長友選手のインテル移籍は、当時無名の存在だった<br />
小柄な日本人に対して、懐疑的で冷ややかな反応でした。<br />
<br />
しかし本田選手の状況はまったく違います。現在9位と低迷するチームの「救世主」として<br />
獲得され、チームの上位浮上を劇的に牽引する活躍をすることは、「期待」という甘い言葉<br />
ではなく、最低限の「責任」だとされているのが現地イタリアの受け止め方です。<br />
<br />
フリット、サヴィチェヴィッチ、ボバン、ルイ・コスタ、セードルフ、ボアテングが継承してきた<br />
伝統の背番号「10番」。<br />
自らその番号を望んだ本田選手の強い覚悟は、熾烈なレギュラー争い以上に、<br />
ACミランの象徴的存在となるべく、未知なる成長へと導いていくはずです。<br />
<br />
<br />
<b>---チームの現状</b><br />
<br />
セリエA・第15節を終えた時点での、上位チームは以下の通り。(カッコ内は勝ち点)<br />
ユヴェントス(40)、ローマ(37)、ナポリ(32)、インテル(28)、フィオレンティーナ(27)、ヴェローナ(25)<br />
<br />
ACミランは財政難による主力選手の大量放出があり、今シーズンは現在勝ち点18の9位と<br />
極度の不振に陥っています。<br />
<br />
首位ユヴェントスとは勝ち点22の差があり、優勝は現実的ではありません。<br />
来季のチャンピオンズリーグ出場圏内である3位を目指すことになりますが、現在3位の<br />
ナポリとは勝ち点14差。本田選手はこの差を埋める活躍をしなければなりません。<br />
<br />
「司令塔」として、イタリア代表のエース・バロテッリをはじめ、エル・シャーラウィ、ロビーニョ、<br />
マトリ、パッツィーニらが揃う破壊力ある攻撃陣を生かす役割を担っています。<br />
<br />
欧州チャンピオンズリーグには、イタリア勢で唯一16強に進出していますが、本田選手は<br />
すでにCSKAモスクワの一員として出場したため、規定によりACミランではプレーすることが<br />
できません。その分、リーグ戦での絶対的な活躍をみせる必要があります。<br />
<br />
<br />
<b>---長友選手、ミラノダービー</b><br />
<br />
ACミランのホームスタジアムは、サン・シーロ。1990年のワールドカップ・イタリア大会の<br />
開幕戦の舞台ともなった、イタリアサッカー界の聖地です。<br />
<br />
同じくここを本拠地とするインテルとは、最大のライバル関係にあり、両チームが対戦する<br />
ミラノ・ダービーの注目度と熱狂は、サッカーという枠を超えたイタリアの一大イベント。<br />
<br />
来年5月4日のミラノダービーでは、インテル・長友選手との日本人対決に大注目です!<br />
<br />
<br />
<div style="text-align: center;">
*******************************</div>
<br />
私は20年来のインテリスタ(インテル・サポーター)なので、本田選手の移籍によって<br />
ACミランを応援することはありませんが、彼の活躍には大いに期待しています。<br />
<br />
サッカーと並んでF1やバイクなどのモーター・スポーツが国民的人気を誇るイタリアでは、<br />
「HONDA」という名前は必ず親しんでもらえるはずで、愛される選手になってくれることでしょう。<br />
<br />
サッカーの話題には事欠かないバールでも、日本人選手の活躍は、日本人バリスタへの<br />
注目度を高めることにもなり、仕事がとてもやりやすくなることが個人的には一番嬉しいこと。<br />
もちろん、バールでサッカー観戦するにも、またひとつ大きな楽しみが増えました!<br />
<br />
イタリア人のザッケローニ監督による日本代表の急成長や、ビッグクラブ・インテルでの<br />
長友選手の活躍などで、イタリアでも日本人選手の実力に注目が集まっています。<br />
今後も多くの日本人選手がセリエAに移籍することを願うばかりです。<br />
<br />
<br />
【関連バックナンバー】<br />
<a href="http://www.barbellaitalia.com/2011/04/blog-post.html">首位攻防!ミラノダービー</a><br />
<a href="http://barbellaitalia.blogspot.com/2011/03/blog-post_06.html">適応能力を示した長友選手のイタリア初ゴール!</a><br />
<a href="http://barbellaitalia.blogspot.com/2011/02/df.html">日本代表DF長友佑都、インテル・ミラノで歴史的デビュー!</a><br />
<br />
<br />Barista Yuskehttp://www.blogger.com/profile/09556821229703776922noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-3873260544393711217.post-83217478688317997722013-03-28T03:29:00.000+01:002013-03-28T04:22:39.042+01:00つまようじの国日本人にとって、食後のつまようじは欠かせないアイテムですよね。<br />
食堂でも、当たり前のように各テーブルに置いてあります。<br />
<br />
ところが、ヨーロッパを旅行すると、それが当たり前でないことに気づくはずです。<br />
少しばかり不便な思いをした経験はありませんか?<br />
<br />
イタリアのリストランテやバールでも、もちろんテーブルには備えられていませんが、<br />
そこで諦めてはいけません!<br />
どのお店でも、実は頼めば持ってきてくれるのです。<br />
<br />
イタリア語で「つまようじ」は「ストゥッツィカデンティ」(lo stuzzicadenti)といいます。<br />
「アヴェーテ・ウーノ・ストゥッツィカデンティ?」(Avete uno stuzzicadenti?)と尋ねる一言だけ。<br />
<br />
イタリア人でも尋ねてくる人はもちろんいますが、少数です。<br />
人前で歯を掃除するのは決して上品とはいえませんし、“歯の掃除道具”を食事のテーブルに<br />
備え置くなんて絶対にありえない、という感覚です。<br />
それでもつまようじを使うのはマナー違反ではありませんが、少なくとも手で口を覆うのが、<br />
最低限の礼儀だといえるでしょう。<br />
<br />
バールでは、バリスタの手元に置いてあるので、カウンターで直接尋ねてみてください。<br />
リストランテと比べてバールでは、つまようじはより重要な存在です。<br />
特にアペリティーヴォ(食前酒)の時間帯。<br />
オリーブやチーズなどのおつまみを取るために大活躍し、カクテルにデコレーションをする<br />
道具としてもバリスタは使います。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://3.bp.blogspot.com/-bb9sZFo-Mv4/UUp9dAzUATI/AAAAAAAAARY/oirU9RLZhmI/s1600/DSC08143.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="300" src="http://3.bp.blogspot.com/-bb9sZFo-Mv4/UUp9dAzUATI/AAAAAAAAARY/oirU9RLZhmI/s400/DSC08143.JPG" width="400" /></a></div>
<br />
イタリアのつまようじは、両端の先端が鋭く尖っているのが特徴です。<br />
先端恐怖症でなくても、なんだか扱いづらいと思うのは、やはり日本人だからでしょうか。<br />
<br />
しかし私にとってそれ以上に気になるのが、各メーカーの商品名です。<br />
「SAMURAI」、「SAYONARA」、「KIMONO」、「KARATE」、「NIKKO」、「KENDO」、「SAKURA」…。<br />
いずれも、日本語ですね。<br />
一体なぜでしょう…。<br />
<br />
<br />
つまようじの原形は、歯を掃除する道具として、おそらく人類史上最も古いものであると<br />
されていて、特別に日本やアジアで発明されたものではありません。<br />
中世イタリアでは、ブロンズ製や貴金属製のものが上流階級の間で広まっていたともいいます。<br />
<br />
しかし、現代において、こうした卓上の日用品としてのつまようじを広く生産・流通させたのは、<br />
日本の企業なのではないでしょうか?<br />
実際、イタリアの主要ブランドには、「Made in Japan」の記載があります。<br />
<br />
品質の高いつまようじを安く大量生産する日本の技術力を察することは難しくありませんが、<br />
消費者の購買意欲につなげるブランド・イメージとしてのネーミングに、品質や流通過程を<br />
関連付ける理由は、つまようじに関しては薄いような気がします。<br />
<br />
いずれの商品名を見ても、むしろ日本の伝統文化をイメージさせるものばかり。<br />
どのパッケージにも、武士の姿や、浮世絵風の日本女性、芸者などの古風なデザインが<br />
施されていることからも、一貫したイメージ戦略が垣間見えます。<br />
<br />
多くのイタリア人が、日本の映画・アニメを通して、日本の食文化・生活文化をよく知っています。<br />
楊枝をくわえた孤高のサムライや、コミカルに楊枝を使う忍者や武道家のアニメキャラクター…。<br />
つまようじに、何かしらの「物語」をイメージさせるとき、世界の中でも、こうした日本の姿を<br />
連想するのは、ごく自然なことなのかもしれませんね。<br />
<br />
多くのイタリア人は、これらのネーミングがすべて日本語だということすら気づいていません。<br />
それほど当たり前のように浸透している日本文化が、イタリアには数多くあります。<br />
イタリアの食文化を学びに来た私ですが、同時に、日本文化をイタリア人に広く伝える使命も<br />
求められていることを感じずにはいられません。<br />
<br />
<br />
【関連バックナンバー】<br />
<a href="http://barbellaitalia.blogspot.it/2012/04/blog-post_19.html">食前酒・アペリティーヴォ…って何?</a><br />
<a href="http://barbellaitalia.blogspot.it/2012/11/blog-post_30.html">リキュールの日本代表・ミドリ</a><br />
<br />
<br />Barista Yuskehttp://www.blogger.com/profile/09556821229703776922noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-3873260544393711217.post-91437807503993820162013-03-23T06:19:00.000+01:002013-03-23T06:56:55.343+01:00イタリアンな日本車たちここ数年、日本を訪れるたびに、前方を走るクルマを見てハッとすることがあります。<br />
<br />
日本語のナンバープレートを懐しみながら、頭の中の“言語チャンネル”はすでに日本語。<br />
そこに、ふいに目に飛び込んでくる、思いもかけないイタリア語の文字…。<br />
アルファベットで綴った、車種名のプレートです。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://3.bp.blogspot.com/-JET9eQaCu84/UU0wH3DTiRI/AAAAAAAAARo/E80o3Au22Go/s1600/DSC08193.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="300" src="http://3.bp.blogspot.com/-JET9eQaCu84/UU0wH3DTiRI/AAAAAAAAARo/E80o3Au22Go/s400/DSC08193.JPG" width="400" /></a></div>
<br />
運転することは大好きでも、クルマのモデルを気にすることはなかった私ですが、<br />
こうして目にすると、イタリア語を冠したクルマが実に多いことに気づかされます。<br />
<br />
イタリア語として意味が分かる分、開発チームの思いがストレートに伝わるようで、<br />
なかなか面白いものです。<br />
今では運転中も、思わずイタリア語名のクルマを探してしまうほど。<br />
いずれも馴染み深いクルマですが、みなさんはいくつご存知ですか?<br />
<br />
◆ トヨタ<br />
<span style="color: #e06666;">プレミオ</span>(Premio) <i>=賞、表彰、プレミアム</i><br />
<span style="color: #e06666;">パッソ</span>(Passo) <i>=一歩、足どり、ステップ</i><br />
<span style="color: #e06666;">ポルテ</span>(Porte) <i>=(複数の)扉、ドア</i><br />
<br />
◆ 日産<br />
<span style="color: #e06666;">セレナ</span>(Serena) <i>=平穏な、晴れ渡った</i><br />
<span style="color: #e06666;">フーガ</span>(Fuga) <i>=フーガ(音楽用語)、逃走、脱出</i><br />
<span style="color: #e06666;">ムラーノ</span>(Murano) <i>=ヴェネツィアのムラーノ島</i><br />
<br />
◆ スズキ<br />
<span style="color: #e06666;">アルト</span>(Alto) <i>=高い</i><br />
<br />
◆ ダイハツ<br />
<span style="color: #e06666;">タント</span>(Tanto) <i>=たくさんの、とても</i><br />
<span style="color: #e06666;">ミラ</span>(Mira) <i>=標的、照準</i><br />
<br />
◆ スバル<br />
<span style="color: #e06666;">ステラ</span>(Stella) <i>=星</i><br />
<br />
<br />
かつて販売していた往年のクルマにも、イタリア語の名前はありました。<br />
<br />
◆ トヨタ<br />
<span style="color: #e06666;">コルサ</span>(Corsa) <i>=走行、レース</i><br />
<span style="color: #e06666;">コロナ</span>(Corona) <i>=王冠</i><br />
<span style="color: #e06666;">カリーナ</span>(Carina) <i>=かわいい</i><br />
<span style="color: #e06666;">ビスタ</span>(Vista) <i>=景色、眺望、視界</i><br />
<span style="color: #e06666;">アルテッツァ</span>(Altezza) <i>=高さ、高貴</i><br />
<br />
◆ 日産<br />
<span style="color: #e06666;">シルビア</span>(Silvia) <i>=女性の名</i><br />
<span style="color: #e06666;">グロリア</span>(Gloria) <i>=栄光、栄誉</i><br />
<span style="color: #e06666;">ラルゴ</span>(Largo) <i>=幅広い、ゆったりした</i><br />
<br />
◆ ダイハツ<br />
<span style="color: #e06666;">クオーレ</span>(Cuore) <i>=心、ハート、中心</i><br />
<br />
◆ スバル<br />
<span style="color: #e06666;">レオーネ</span>(Leone) <i>=ライオン</i><br />
<br />
<br />
こうして列挙してみると、トヨタ、日産のイタリア語への傾倒が感じられる反面、<br />
ホンダ、マツダ、三菱のクルマが見当たらないのが面白いところ。<br />
それでも、かつてはイタリア語のクルマもわずかにありました。<br />
<br />
◆ ホンダ<br />
<span style="color: #e06666;">ドマーニ</span>(Domani) <i>=明日</i><br />
<br />
◆ マツダ<br />
<span style="color: #e06666;">ルーチェ</span>(Luce) <i>=光、光明</i><br />
<span style="color: #e06666;">ペルソナ</span>(Persona) <i>=人、人格</i><br />
<br />
<br />
ただし、ここで挙げた車名は、イタリア語に見られる名称について、その意味を表記したものです。<br />
一部には、英語やスペイン語、フランス語などの同じ綴りをもつ単語から命名された車種がある<br />
可能性がありますが、意味はさほど変わらないでしょう。<br />
<br />
イタリア語の発音的には、「セレナ」は「セレーナ」に近く、「ステラ」は「ステッラ」、さらには<br />
「ビスタ」は「ヴィスタ」としなければ、言語としては通じないことだけ補足しておきます。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://3.bp.blogspot.com/-pjhgnzNahTQ/UU0wSth4OGI/AAAAAAAAARw/ruMOPXCESC4/s1600/DSC08198.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="300" src="http://3.bp.blogspot.com/-pjhgnzNahTQ/UU0wSth4OGI/AAAAAAAAARw/ruMOPXCESC4/s400/DSC08198.JPG" width="400" /></a></div>
<br />
自動車の名前は、アメリカ、イギリスといった自動車大国を追随する英語名であることが<br />
多いですよね。<br />
とはいえ、同じ生産大国のドイツを意識したドイツ語名がほとんど見当たらない中で、<br />
イタリア語名が多用される傾向は注目すべきところです。<br />
<br />
1980年代はじめの日本におけるスポーツカー・ブームで脚光を浴びた、アルファロメオや<br />
ランボルギーニ、現在でもF1で活躍するフェラーリを産んだ国・イタリア。<br />
その「運転を楽しむクルマ」への憧れがあるのでしょうか。<br />
<br />
バールでも、今後そんな話もしてみたいと思います。<br />
こうした日本のトレンドを知れば、イタリア人たちもきっと喜ぶことでしょう!<br />
<br />
<br />Barista Yuskehttp://www.blogger.com/profile/09556821229703776922noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-3873260544393711217.post-26871011891747504952013-02-09T06:22:00.000+01:002013-02-09T06:22:46.669+01:00独身たちのフェスタ!2月14日はバレンタインデーですね。<br />
日本では女性から男性に愛を伝える独特の習慣がありますが、聖者ヴァレンティーノの故郷・<br />
イタリアでは、恋人同士や夫婦でお互いに愛を誓い合う日です。<br />
<br />
世界中がロマンチックなムードに包まれる大イベントですが、決して少数派ではないはずの<br />
恋人のいない人たちは、一体どうしたらいいのでしょう…?<br />
しかし、お祭り好きのイタリア人ですから、そんな独身たちを放っておくはずはありません。<br />
<br />
バレンタインデーの翌日・2月15日は、聖ファウスティーノ(San Faustino)の日。<br />
およそ1900年前にイタリアに実在した聖人で、現在では「独身者の守護聖人」と呼ばれています。<br />
そこで、近年ではこの日に、独身たちのフェスタ(Festa dei Single)を楽しむ動きが広まって<br />
きています。<br />
<br />
しかし、この“記念日”をそれぞれがどうお祝いするのか…気になりますよね?<br />
<br />
一人でお祝いする人は、まずいないでしょう。<br />
たいていは、同じ独身の友人たちとホームパーティーを開いたり、ディスコやクラブ、バーなどで<br />
企画される同フェスタに出かけ、仲間たちと陽気に飲んで踊り明かすといったようなもの。<br />
<br />
恋人のいない男女が集まれば、そこで新たにパートナーを見つける絶好の機会にもなりますし、<br />
たとえそこまで意気込まなくても、友人たちに囲まれて楽しく過ごす時間に幸せを感じるのも、<br />
とても良いものです。<br />
<br />
仲間とお酒で賑やかに過ごすよりも一人で自分の時間を楽しみたい方は、この時期に<br />
欠かせない温泉施設でゆっくりするのも良いですね。<br />
この日、一人で利用する方に特別割引をする施設も少なくありません。<br />
<br />
また、一人気ままに旅行をしてみたい方には、この日だけシングルルームを割引料金で<br />
用意しているホテルがオススメです。<br />
<br />
2月15日にイタリアを一人旅する方は、こうしたイベントに参加するのも楽しいですし、<br />
“独身割引”をうまく利用するのも面白い手だと思いますよ!<br />
<br />
<table align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="margin-left: auto; margin-right: auto; text-align: center;"><tbody>
<tr><td style="text-align: center;"><a href="http://1.bp.blogspot.com/-kiB-z3W2XQQ/URM2pitJzKI/AAAAAAAAAQw/kiwK-ZmX95A/s1600/San+Faustino.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" height="400" src="http://1.bp.blogspot.com/-kiB-z3W2XQQ/URM2pitJzKI/AAAAAAAAAQw/kiwK-ZmX95A/s400/San+Faustino.JPG" width="286" /></a></td></tr>
<tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;">San Faustino</td></tr>
</tbody></table>
<br />
バレンタインデーを誰とも祝えず、なんだか少しだけ寂しい気持ちになるちょうど翌日に、<br />
こんなに楽しく過ごせる日を用意しているイタリアは、なんとも粋な国だと思いませんか?<br />
<br />
恋人がいないことを引け目に感じるなんて、イタリア人の性には合いません。<br />
バレンタインデーにどこか居心地の悪い思いをしたら、翌日にはすぐに出会いの場を<br />
つくってしまう。いつもの仲間と笑い飛ばしてしまう。<br />
<br />
イタリアの独身たちにとって2月15日は、寂しさを埋めるなんてネガティブな日では決してなく、<br />
恋人を見つける前祝いのような、または交友関係をさらに広げていくような、どこまでも<br />
前向きな一日なのです。<br />
<br />
<br />
【関連バックナンバー】<br />
<a href="http://barbellaitalia.blogspot.it/2011/02/blog-post_13.html">聖ヴァレンティーノの日</a><br />
<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
</div>
Barista Yuskehttp://www.blogger.com/profile/09556821229703776922noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-3873260544393711217.post-55327050718753659342013-01-27T04:43:00.000+01:002013-01-28T05:21:46.926+01:00魅惑のティラミスおそらく、世界で最も有名なイタリアのデザートは、ティラミス(Tiramisù)でしょう。<br />
<br />
イタリアでも全国的にポピュラーですが、不思議なことに、イタリア地方料理を扱う資料には<br />
ほとんど登場しません。時折ようやく見つけるのは、「ヴェネト州のドルチェ」の記載だけ…。<br />
それもそのはず、調べてみると、その発祥は1960年代。<br />
近年考案された新しいドルチェなのです。<br />
<br />
確かに、「地方の伝統菓子」と呼べる要素が少ないことは、その原材料を見ればわかります。<br />
マスカルポーネ(Mascarpone)はロンバルディア州特産のチーズですし、エスプレッソに浸す<br />
ビスケット・サヴォイアルディ(Savoiardi)は、ピエモンテ州、シチリア島、サルデーニャ島など<br />
全国的に幅広い地域で盛んにつくられる、あまり地方色のないお菓子です。<br />
<br />
イタリア各地にはティラミスに似たような伝統菓子があり、そこまで遡って関連付けると、<br />
その発祥には様々な説があるようです。<br />
しかし、「ティラミス」という名前で現在のレシピが考案されたのは、多くの料理専門誌によると、<br />
イタリア北東部ヴェネト州・トレヴィーゾの、『ベッケリーエ』(Beccherie)というリストランテ。<br />
<br />
「ティーラミ・スー!」(Tirami sù!)、つまり「私を元気づけて!」というフレーズがそのまま名前に<br />
なった、斬新でキャッチーなネーミングと、オーブンなど特別な設備がなくてもつくれる手軽さも<br />
受けて、瞬く間に世界中に広まりました。<br />
<br />
<br />
いまだ記憶に新しい、日本のティラミス・ブームは、バブル景気全盛の1990年頃のこと。<br />
当時は爆発的な人気を呼び、社会現象ともなったイタメシ・ブームをけん引する主役でした。<br />
どのお店にも行列ができ、生産も追いつかないほどで、ようやく口にした時の今まで味わった<br />
ことのない美味しさには感動したものです。<br />
<br />
日本のティラミスは、スポンジ生地をベースにしたようなものでしたが、本場イタリアのものは、<br />
やわらかくなめらかでクリーミーそのもの。<br />
<br />
軽くソフトなサヴォイアルディは、たっぷり浸したエスプレッソが滲み出るほどジューシーで、<br />
マスカルポーネと卵黄、砂糖で泡立てたクリームは、なめらかでとろけるような舌触りと、<br />
甘美なコクが口いっぱいに広がります…。<br />
<br />
ティラミスを目の前に、その誘惑を断れる人は少ないのでは…?そして一度口にすれば、<br />
誰もが言葉を失い、うっとりと陶酔してしまう魔法が、ティラミスにはあるのです!<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://2.bp.blogspot.com/-Jdgi16gQ8RU/UQNPBYyTAaI/AAAAAAAAAQY/rZ2arMUKa9I/s1600/DSC08104.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="http://2.bp.blogspot.com/-Jdgi16gQ8RU/UQNPBYyTAaI/AAAAAAAAAQY/rZ2arMUKa9I/s320/DSC08104.JPG" width="320" /></a></div>
<br />
食後のデザートとしてリストランテのメニューにはよくあるのですが、バールでは実はどこにでも<br />
おいてあるものではありません。調理で生卵を扱うには、法定設備と認可が必要だからです。<br />
<br />
キッチンもないようなバールにもしティラミスがおいてあれば、それは工場生産のものを<br />
仕入れているということ。味はそれほど期待できないでしょう。<br />
<br />
コーヒー焙煎所(Torrefazione)と菓子店(Pasticceria)を兼ねているようなバールは理想的。<br />
本当に美味しいティラミスが期待できるといえます。<br />
上質なエスプレッソを淹れるバールの強みを生かせるドルチェだといえますね!<br />
<br />
私は職業柄、コックやパティシエの作りたてを味見する機会が多いのですが、<br />
泡立てたばかりの極限になめらかで濃密なクリームは、どんなに美味しいリストランテで<br />
食べるものよりも、さらに百倍美味しいと断言できます。<br />
<br />
とにかく、ティラミスは鮮度が命!<br />
ですから、オススメしたいのは、ご家庭で作りたてを食べていただくこと。<br />
とても簡単ですし、レシピは様々なものが出ているので、ぜひ試してみてください。<br />
分量の違いなどもありますが、とにかく丁寧にきめ細かく泡立てるのがコツですよ!<br />
<br />
<br />
【関連バックナンバー】<br />
<a href="http://barbellaitalia.blogspot.it/2012/03/blog-post_29.html">アメリカが伝えたイタリア料理</a><br />
<a href="http://barbellaitalia.blogspot.it/2012/05/blog-post_24.html">ドルチェの新潮流</a><br />
<br />
<br />Barista Yuskehttp://www.blogger.com/profile/09556821229703776922noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-3873260544393711217.post-29055111368483066282013-01-18T06:36:00.000+01:002013-01-18T06:43:27.869+01:00バールで朝食を!夜明け前、小鳥だけがさえずる静かな街で、最初に明かりが灯るのが、バールです。<br />
<br />
出勤したバリスタがまず行うのが、エスプレッソマシンの準備。<br />
それから、ブリオッシュをオーブンに入れます。<br />
バンコ(カウンター)やテーブルを整え、ブリオッシュが焼き上がったところで、いよいよオープン!<br />
<br />
澄み切った空気が清々しい朝日で輝き始める頃、次々にお客さんがバールにやってきます。<br />
店内に広がる香ばしいエスプレッソと甘いブリオッシュの香り、蒸気を上げてテキパキとマシンを<br />
操るバリスタ、小気味よくカップを並べていく音、そして元気良く交わされる朝のあいさつ…。<br />
<br />
朝のバールは、とても気持ちの良い場所です。<br />
お店に入ってくる時にはまだ眠そうな口数少ないお客さんが、出ていく時にはすっかり元気に<br />
仕事や学校に向かいます。<br />
「いってらっしゃい!」と見送るバリスタにとっても、大きな活力を得られる、一日のスタートです!<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://4.bp.blogspot.com/-dmxXe33QH-E/UPiQuFKx7EI/AAAAAAAAAQE/KR1jBVIBahM/s1600/DSC06960.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="http://4.bp.blogspot.com/-dmxXe33QH-E/UPiQuFKx7EI/AAAAAAAAAQE/KR1jBVIBahM/s320/DSC06960.JPG" width="320" /></a></div>
<br />
バールでの朝食は、カプチーノとブリオッシュが定番!<br />
朝は飛び切り甘いものを食べて目を覚ますのが、イタリア流です。<br />
<br />
この「ブリオッシュ」(Brioche)とは、小麦粉、バター、卵、牛乳、酵母でつくる、甘いパンのこと。<br />
フランスからの外来語で、隣接するイタリア北部で特にこう呼ばれていますが、例えば<br />
中部トスカーナ州のように、イタリア語で総称的に「パスタ」と呼ぶ地域もあります。<br />
<br />
また、基本的にはクロワッサンのように三日月形をしているので、イタリア中部や南部では、<br />
それを動物の角の形になぞらえて、「コルネット」(Cornetto)と呼ぶ方が一般的です。<br />
<br />
しかし実際には、他にも様々な形があります。<br />
三つ編み状の「トレッチャ」(Treccia)、長方形に包んだ形の「ファゴッティーノ」(Fagottino)、<br />
渦巻き状の「ジレッラ」(Girella)、筒状の「カンノーロ」(Cannolo)、丸い「トンダ」(Tonda)など…。<br />
<br />
味のバリエーションは、プレーン(Liscia / Vuota)の他、カスタードクリーム(alla crema)、<br />
アプリコット・ジャム(alla marmellata)、チョコレート(al cioccolato)の4種類が、定番中の定番。<br />
<br />
変わり種では、リンゴやパイナップルの果実をはさんで焼いたものや、ライスクリーム入り、<br />
レーズン入り、さらにはハチミツ入りの全粒粉製ブリオッシュなどを扱うバールもあります。<br />
<br />
<br />
多くのバールでは実は冷凍品を仕入れているのですが、オススメは菓子店・パスティッチェリーア<br />
を併設するバール。ここでは、菓子職人自慢の自家製ブリオッシュが並びます。<br />
種類も豊富で、早朝に仕込んだばかりの出来立ては格別です!<br />
<br />
いずれにしても、焼き上がったばかりの熱々ブリオッシュが並べば、迷わずそれを頼みましょう。<br />
滅多に巡り合うことのできない幸運の味は、一日中幸せに過ごせる極上の美味しさです!<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://4.bp.blogspot.com/-BsSVCn2PdpM/UPiN-GZoY9I/AAAAAAAAAPw/P-VkGEtAotU/s1600/DSC06930.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="http://4.bp.blogspot.com/-BsSVCn2PdpM/UPiN-GZoY9I/AAAAAAAAAPw/P-VkGEtAotU/s320/DSC06930.JPG" width="320" /></a></div>
<br />
せっかくイタリアを訪れても、朝食はホテルですませる方が多いのではないでしょうか?<br />
でもそれは、非常にもったいないこと!<br />
<br />
ぜひ近くのバールに足を運んでみてください。<br />
活気あるイタリアの日常は、朝のバールから始まるのです。<br />
バリスタの笑顔に見送られて…。今日も良い一日を!ブォナ・ジョルナータ!<br />
<br />
<br />
【関連バックナンバー】<br />
<a href="http://barbellaitalia.blogspot.it/2011/02/blog-post_28.html">バールの新聞</a><br />
<br />
<br />Barista Yuskehttp://www.blogger.com/profile/09556821229703776922noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-3873260544393711217.post-82134549723366171932012-12-16T04:43:00.000+01:002012-12-16T05:48:44.410+01:00高麗人参のエスプレッソ近年、イタリアでは東洋由来の健康ブームが長らく続いています。<br />
<br />
世界的ブームのヨガの人気は、ここイタリアでも例外ではなく、同じインドのアーユルヴェーダ、<br />
タイ式マッサージ、日本のSHIATSU(指圧)などもよく知られています。<br />
日本料理は健康食の代名詞として広く認知されているし、食事療法のマクロビオティックも<br />
全国的に熱心なファンのネットワークがあるくらい。<br />
仏教や禅の哲学、生活習慣から正していく東洋医学などを通じて、心のゆとりを求める<br />
イタリア人が、どれほど多いことか…。<br />
<br />
そんな流行の中、バールに登場したのが、「カフェ・アル・ジンセン」(Caffè al Ginseng)です。<br />
つまり「高麗人参風味のエスプレッソ」のこと。<br />
<br />
<br />
高麗人参(朝鮮人参)は今さら説明する必要もありませんね。<br />
主に朝鮮半島に自生する薬草で、特に根の部分に含まれる有効成分が滋養強壮などに効能が<br />
あるとされ、漢方などの東洋医学の生薬として、アジア全域で古くから珍重されてきました。<br />
<br />
その高麗人参のエキスを配合したエナジー・ドリンクとしてのエスプレッソが、イタリアのバールに<br />
登場したのは、2000年代に入ってからのこと。これが、カフェ・アル・ジンセンです。<br />
<br />
私自身、2006年に勤務したバールで、初めてカフェ・アル・ジンセンを取り扱いました。<br />
流行の最先端・ミラノのバールでしたが、まだ普及し始めた頃のことで、珍しがるお客さんに<br />
よく勧めていたことを記憶しています。<br />
それが現在では、もはや定着した感さえあるほど、幅広い人気を得ています。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://4.bp.blogspot.com/-UDmitgLBA_k/UMABfuxCI4I/AAAAAAAAAOo/3fYzBSHEbA8/s1600/DSC06896.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="320" src="http://4.bp.blogspot.com/-UDmitgLBA_k/UMABfuxCI4I/AAAAAAAAAOo/3fYzBSHEbA8/s320/DSC06896.JPG" width="240" /></a></div>
<br />
カフェ・アル・ジンセンは、エスプレッソマシンではなく、専用の抽出マシンで淹れられます。<br />
このマシンにセットされているのは、原料となるパウダーと水だけ。<br />
あとはボタンを押せば簡単に抽出される、いわゆるインスタント・ドリンクの趣き。<br />
<br />
※この専用マシンは、元々は大麦のコーヒー「カフェ・ドォルツォ」(Caffè d'Orzo)の抽出用<br />
に開発されたもので、追加機能としてのカフェ・アル・ジンセンの普及を促した経緯が<br />
あります。大麦コーヒーもあわせて試してみてはいかがでしょうか?<br />
<br />
このパウダーには、コーヒー成分の他、高麗人参のエキス、脱脂粉乳、甘味料、安定剤、<br />
乳化剤、着色料、香料などが配合され、いわゆる工業食品の王道といったところ。<br />
日本では当たり前でも、イタリア人は非自然食品を極端に嫌う傾向があり、そんな彼らに人気が<br />
あることがとても不思議ですが、もちろんそれを理由に避けるお客さんも少なくありません。<br />
<br />
すでにかなり甘味があるので、まずは砂糖を入れずに飲んでみてください。<br />
甘過ぎる嫌いもありますが、その中に薬草系の苦みと香りがほんのり感じられ、日本人には<br />
どこか懐かしさすら感じさせる味かもしれません。<br />
<br />
現在ではスーパーでも、家庭用の商品が販売されています。<br />
日本へのお土産としても、面白いかもしれませんね。<br />
ガイドブックには載っていない最新のイタリアン・ドリンクを、ぜひ試してみてくださいね!<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://1.bp.blogspot.com/-LpoogpDD7cw/UMABpnjpoEI/AAAAAAAAAOw/Yp7WlWSBhHg/s1600/DSC06897.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="http://1.bp.blogspot.com/-LpoogpDD7cw/UMABpnjpoEI/AAAAAAAAAOw/Yp7WlWSBhHg/s320/DSC06897.JPG" width="320" /></a></div>
<br />
<br />
【関連バックナンバー】<br />
<a href="http://barbellaitalia.blogspot.it/2012/01/blog-post_09.html">イタリアの薬用酒・アマーロ</a><br />
<br />
<br />Barista Yuskehttp://www.blogger.com/profile/09556821229703776922noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-3873260544393711217.post-14711842923840182572012-12-13T05:22:00.001+01:002012-12-16T06:53:16.418+01:00ハリーズ・バーのベッリーニリキュール大国であり、数多くのカクテルを生んできたイタリア。<br />
その中でも最も有名なカクテルのひとつに挙げられるのが、「ベッリーニ」(Bellini)でしょう。<br />
<br />
国際バーテンダー協会(IBA)の77種類の公式カクテルのひとつで、世界のスタンダード・カクテル。<br />
ちなみに、日本では英語発音由来の「ベリーニ」と呼ばれていますが、イタリアでは聞き返される<br />
こともあるので注意が必要です。<br />
<br />
<br />
ベッリーニが生まれたのは、ヴェネツィアに本店を構える世界的名店、「ハリーズ・バー」。<br />
1931年の創業以来、文豪・ヘミングウェイや、映画俳優・オーソン・ウェルズら各界の著名人にも<br />
愛され、2001年にはイタリア文化省によって文化遺産に指定された名店中の名店です。<br />
<br />
1948年、創業者でありチーフ・バリスタのジュゼッペ・チプリアーニ氏(Giuseppe Cipriani)によって、<br />
白桃のピューレと、ヴェネツィア近郊で生産されるプロセッコというスパークリング・ワインを<br />
合わせた、ベッリーニが考案されました。<br />
<br />
15世紀ルネッサンス時代の画家でヴェネツィア派の巨匠、ジョヴァンニ・ベッリーニ(Giovanni Bellini)<br />
が描いた聖人の衣服の色になぞらえて命名された、という説が伝わっています。<br />
<br />
<table align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="margin-left: auto; margin-right: auto; text-align: center;"><tbody>
<tr><td style="text-align: center;"><a href="http://1.bp.blogspot.com/-UBNamCkwF6s/UMAPjgblZ7I/AAAAAAAAAPE/olK5Aq7X84A/s1600/Giovanni+Bellini.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" height="254" src="http://1.bp.blogspot.com/-UBNamCkwF6s/UMAPjgblZ7I/AAAAAAAAAPE/olK5Aq7X84A/s320/Giovanni+Bellini.jpg" width="320" /></a></td></tr>
<tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;">Pietà - Giovanni Bellini</td></tr>
</tbody></table>
<br />
同じカクテルでも、イチゴのピューレを使用すると「ロッシーニ」(Rossini)という名前になり、<br />
ミカンのフレッシュ・ジュースを使うと「プッチーニ」(Puccini)となります。<br />
いずれもイタリアを代表するオペラ作曲家ですね。<br />
また、グレープでは「ティツィアーノ」(Tiziano)、ザクロなら「ティントレット」(Tintoretto)となり、<br />
ベッリーニと同様、ヴェネツィア派の巨匠の名前になるのが面白いところ。<br />
さらに、分量を変えてオレンジのスプレムータを使うと、「ミモザ」(Mimosa)となります。<br />
<br />
材料を入れ替えることで名前が変わるのはカクテルの常ですが、これほどイタリアづくしの<br />
バリエーションになるのも珍しいと思います。<br />
<br />
<table align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="margin-left: auto; margin-right: auto; text-align: center;"><tbody>
<tr><td style="text-align: center;"><a href="http://4.bp.blogspot.com/-4j0FL4Y8Pus/ULWoHYOt2tI/AAAAAAAAAM8/HT1eAVbGc1E/s1600/DSC07177.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" height="240" src="http://4.bp.blogspot.com/-4j0FL4Y8Pus/ULWoHYOt2tI/AAAAAAAAAM8/HT1eAVbGc1E/s320/DSC07177.JPG" width="320" /></a></td></tr>
<tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;">Bellini e Harry's Bar Firenze</td></tr>
</tbody></table>
<br />
オリジナル・レシピのベッリーニを味わうため、ハリーズ・バーのフィレンツェ店に行ってきました。<br />
1953年オープンのフィレンツェ店は、中心地にありながら、街を二分するアルノ川沿いに佇む、<br />
優雅な店構え。<br />
<br />
一緒に訪れたのは、フィレンツェの著名なバリスタ、アルマンド・モラーダ氏(Armando Morada)。<br />
彼はかつて同店で勤務していたことがあり、その時の同僚・ヴァロン氏(Valon)と、私の知人・<br />
クリストファー氏(Christopher)を訪ねることも、目的のひとつでした。<br />
<br />
アルノ川に面したテラス席に着き、ランチの前にまずは食前酒。もちろん、ベッリーニです。<br />
川沿いに広がる大空の下での味は、さらに格別!<br />
でも、そのとびきりの美味しさは、あくまで食前酒の味わいというのが、贅沢なところ。<br />
これから運ばれる料理への期待が、いやが上にも高まります!<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://2.bp.blogspot.com/-kmg9UrJTBQw/ULWoZOgX4ZI/AAAAAAAAANE/LBUXog0TDaY/s1600/DSC07178.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="http://2.bp.blogspot.com/-kmg9UrJTBQw/ULWoZOgX4ZI/AAAAAAAAANE/LBUXog0TDaY/s320/DSC07178.JPG" width="320" /></a></div>
<br />
ハリーズ・バーといえば、ベッリーニと並んで有名なものに、カルパッチョ(Carpaccio)があります。<br />
1963年、ルネッサンス時代の画家、ヴィットーレ・カルパッチョ(Vittore Carpaccio)の生誕500周年<br />
回顧展の機会に、ハリーズ・バーのオーナー、カプリアーニ氏が売り出した料理です。<br />
<br />
ヴィットーレ・カルパッチョは、ジョヴァンニ・ベッリーニの兄、ジェンティーレ・ベッリーニに<br />
師事した、ヴェネツィア派を代表する画家。<br />
彼の絵画独特の赤と白の色調にインスピレーションを得た一皿ですが、薄切りの生の牛肉を<br />
使った同様の料理、「アルバ風牛生肉」(Carne cruda all'Albese)と呼ばれる、ピエモンテ州の<br />
一皿をヒントにしたと言われています。<br />
<br />
様々な説がありますが、今や世界的に有名な「カルパッチョ」という名前が、この時、このお店で<br />
生まれたのは間違いなく、名称の由来として、イタリア料理史の重要なエピソードといえるでしょう。<br />
<br />
<br />
<a href="http://1.bp.blogspot.com/-XeoEp2vE9Aw/ULWokL2tsxI/AAAAAAAAANM/Tgfo1qy7qzs/s1600/DSC07189.JPG" imageanchor="1" style="clear: left; float: left; margin-bottom: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="200" src="http://1.bp.blogspot.com/-XeoEp2vE9Aw/ULWokL2tsxI/AAAAAAAAANM/Tgfo1qy7qzs/s200/DSC07189.JPG" width="150" /></a>この日は、ヴァロン氏の勧めで、同じく生の牛肉を使ったハリーズ・バー名物の「タルタル」(Tartare alla Harry's)をいただくことにしました。<br />
<br />
私たちのテーブルで彼が好みの味付けを丁寧に尋ねてくれ、手早く仕上げてくれます。<br />
オリーブオイル、塩、黒コショウ、レモンジュース、生卵、コニャック、ウスターシャーソース、タバスコ、イタリアンパセリなど、多くの調味料で、見事に私好みのタルタルが完成しました<br />
<br />
食前酒・ベッリーニのデリケートな味わいからの食事を考えていたため、その後のタルタルと白ワインという流れは、コースで楽しむイタリア料理として、完璧に堪能できるチョイスとなりました。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://3.bp.blogspot.com/-bhUTjQC4loU/ULWorOp3brI/AAAAAAAAANU/Gfr2S1i_C3o/s1600/DSC07190.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="http://3.bp.blogspot.com/-bhUTjQC4loU/ULWorOp3brI/AAAAAAAAANU/Gfr2S1i_C3o/s320/DSC07190.JPG" width="320" /></a></div>
<br />
食後には、再びヴァロン氏の勧めで、クレープを頼むことにしました。<br />
これも彼がテーブルで直接最後の仕上げをしてくれます。<br />
クリームを挟んだクレープにコニャックを注ぎ、火をつけ、一気に香りをつけていきます。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://4.bp.blogspot.com/-qIdvhrEX1cc/ULWp6cjFjBI/AAAAAAAAANc/-kKpDFZpHIM/s1600/DSC07198.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="http://4.bp.blogspot.com/-qIdvhrEX1cc/ULWp6cjFjBI/AAAAAAAAANc/-kKpDFZpHIM/s320/DSC07198.JPG" width="320" /></a></div>
<br />
最後に、若きシェフ、エドアルド・モンターニ氏(Edoardo Montagni)を紹介され、皆で同業者<br />
ならではの情報交換の場となり、とても興味深いランチとなりました。<br />
<br />
洗練された落ち着いた店内で一番存在感を示していたのが、やはりバーカウンター。<br />
しかし驚いたのは、それが意外なほどシンプルだったこと。<br />
それでも、カクテルをつくるボトルや器材は厳選されたものがしっかり揃っていて、<br />
この重厚な木目調の空間だけ、まるで工房のような美しさとこだわりが際立っていました。<br />
<br />
このカウンターで、一杯のお酒だけを楽しむのも、至福のひと時だと思います。<br />
職人としてのバリスタとの対話の中で、世界的カクテル「ベッリーニ」を生んだ技術と情熱の、<br />
揺るぎない伝統の美に触れることができるでしょう。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
</div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://4.bp.blogspot.com/-Yqyk7T0ekhs/ULWqkkX9yiI/AAAAAAAAANk/CJYVLXsPy-4/s1600/DSC07206.JPG" imageanchor="1" style="clear: left; float: left; margin-bottom: 1em; margin-right: 1em;"></a><img border="0" height="240" src="http://4.bp.blogspot.com/-Yqyk7T0ekhs/ULWqkkX9yiI/AAAAAAAAANk/CJYVLXsPy-4/s320/DSC07206.JPG" width="320" /></div>
<br />
<br />
【関連バックナンバー】<br />
<a href="http://barbellaitalia.blogspot.it/2012/01/blog-post_11.html">しぼりたてスプレムータ</a><br />
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<a href="http://barbellaitalia.blogspot.it/2012/04/blog-post_19.html">食前酒・アペリティーヴォ…って何?</a><br />
<a href="http://barbellaitalia.blogspot.it/2012/06/blog-post_19.html">ヒヨコマメのピッツァ</a><br />
<br />
<br />Barista Yuskehttp://www.blogger.com/profile/09556821229703776922noreply@blogger.com1tag:blogger.com,1999:blog-3873260544393711217.post-72809438338841475272012-11-30T03:12:00.001+01:002012-12-01T05:36:32.124+01:00リキュールの日本代表・ミドリバールのカウンターの後ろには、たくさんのお酒のボトルが並んでいます。<br />
色彩豊かなリキュール類、スピリッツ、ウィスキー、ブランデー、ワイン…。<br />
いずれも欧米を中心に生産される、いわゆる「洋酒」。<br />
<br />
ところが、多くのバールでは、実はこの中に1本だけ日本のボトルを置いているのです。<br />
鮮やかな緑色と特徴的なボトルデザインが目を引く、「ミドリ」(Midori)です。<br />
<br />
<br />
ミドリは、サントリーから発売されているメロン・リキュール。<br />
1978年にアメリカで発売され、1984年にようやく日本でも販売開始。イタリアでの販売は1991年<br />
からですが、特にカクテルに力を入れているバールには必ず置いてある1本で、ミドリの名は<br />
プロのバリスタなら誰でも知っている銘柄なのです。<br />
<br />
とはいっても、一般的なお客さんにはまだそれほど知られていない存在です。<br />
そのまま飲むことはなく、ミドリを使ったスタンダード・カクテルもまだわずか。<br />
バリスタのオリジナル・カクテルによく使われる、「隠れた人気者」といったところでしょうか。<br />
<br />
最も有名なカクテルは、「ジャパニーズ・スリッパー」(Japanese Slipper)でしょう。<br />
1/3ずつ合わせたミドリ、コアントロー、レモンジュースをシェイクして、カクテルグラスに注いだ<br />
ものです。ミドリの強い甘味の中にも、爽やかな酸味が効いた一杯。<br />
1984年にオーストラリア・メルボルンのバーで考案されたといいます。<br />
<br />
ちなみに、同じ分量で、ミドリに代えてウォッカ、レモンに代えてライムを使うと、「カミカゼ」<br />
(Kamikaze)というカクテルになります。<br />
どちらも国際バーテンダー協会の77種類の公式カクテルに指定されていて、私たち日本人には<br />
親しみを感じるネーミングですね!<br />
<br />
<table align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="margin-left: auto; margin-right: auto; text-align: center;"><tbody>
<tr><td style="text-align: center;"><a href="http://4.bp.blogspot.com/-Fm5OVRJlPgU/ULgVYSGBlPI/AAAAAAAAAOA/lILlRXoBJQs/s1600/DSC06881.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" height="300" src="http://4.bp.blogspot.com/-Fm5OVRJlPgU/ULgVYSGBlPI/AAAAAAAAAOA/lILlRXoBJQs/s400/DSC06881.JPG" width="400" /></a></td></tr>
<tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;">Japanese Slipper</td></tr>
</tbody></table>
<br />
世界的ブランドが並ぶボトルの中で堂々と存在感を示すミドリを見ていると、日本人として<br />
誇りすら感じてきます。まさにリキュール界の日本代表!<br />
<br />
世界五大ウィスキーのひとつとして、実は日本のウィスキーを置いているイタリアのバールも<br />
少なくありません。しかし、日本酒や焼酎、梅酒など、日本が誇るお酒はまだまだあります。<br />
<br />
例えば、ブラジルでは日本酒を使ったカイピリーニャのバリエーション・「サケリーニャ」が大人気。<br />
こうしたカクテルがスタンダード・ドリンクとして世界に広まれば、イタリアのバールにももっと<br />
日本のお酒が並ぶ日が来るはずです。<br />
<br />
孤軍奮闘するミドリのボトルを眺めるたび、日本人バリスタとしての一つの使命を感じます。<br />
<br />
<br />Barista Yuskehttp://www.blogger.com/profile/09556821229703776922noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-3873260544393711217.post-42767309189567332312012-11-29T05:10:00.000+01:002012-11-29T05:26:56.488+01:00アメリゴ・ヴェスプッチ没後500年皆さんは、アメリゴ・ヴェスプッチ(Amerigo Vespucci)という、歴史上の人物をご存知でしょうか?<br />
<br />
ポルトガル・スペイン両国を中心とした「大航海時代」を迎えていた、1454年。<br />
イタリア半島中部・フィレンツェで、公証人の父と貴族出身の母との間に、彼は生まれました。<br />
35歳のとき、メディチ家の銀行の仕事で、スペイン・セヴィリアに出向。<br />
この町でコロンブスとも出会った彼の人生は、ここから大きく変わりました。<br />
<br />
<table align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="margin-left: auto; margin-right: auto; text-align: center;"><tbody>
<tr><td style="text-align: center;"><a href="http://3.bp.blogspot.com/-wRFcNR03cxc/T-O4hsDS5vI/AAAAAAAAAMY/0HD3BEhpngM/s1600/amerigo-vespucci.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" src="http://3.bp.blogspot.com/-wRFcNR03cxc/T-O4hsDS5vI/AAAAAAAAAMY/0HD3BEhpngM/s1600/amerigo-vespucci.jpg" /></a></td></tr>
<tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;">Amerigo Vespucci</td></tr>
</tbody></table>
<br />
西廻りインド航路を目指したコロンブスが、1492年に、現在の中米カリブ海・西インド諸島に到達。<br />
「新大陸の発見者」としてあまりにも有名な彼ですが、当時はインドに到達したと考えられ、<br />
そのために原住民を「インディアン」と呼んだ経緯は知られています。<br />
ちなみに、スペイン船を率いて歴史的到達を成し遂げた彼は、イタリア半島・ジェノヴァの人でした。<br />
<br />
ヴェスプッチも、スペイン、次いでポルトガルの船団で、中南米に4度の航海をしています。<br />
そして1501年、当時インド・アジア大陸だと考えられていたこの大陸を、ヴェスプッチが「新大陸」<br />
だと明らかにし、ヨーロッパ人の認識を大きく覆しました。<br />
これを機に「アメリカ大陸」と呼ばれるようになったのは、実は彼の名前が由来になったわけです。<br />
<br />
地中海及び陸路での東方交易で莫大な富を築いていたイタリア半島諸国ですが、外洋進出による<br />
他国の興隆を尻目に、その後大きく衰退していき、ヨーロッパの盟主としての地位を失いました。<br />
しかし、この世界史上の大転換期に、イタリアの航海士たちもまた、一役買っていたのです。<br />
<br />
<table align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="margin-left: auto; margin-right: auto; text-align: center;"><tbody>
<tr><td style="text-align: center;"><a href="http://2.bp.blogspot.com/-6lzf4_eyOsI/T-UX6saIMAI/AAAAAAAAAMk/mCbPkN1Y3uo/s1600/carvesp+.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" height="320" src="http://2.bp.blogspot.com/-6lzf4_eyOsI/T-UX6saIMAI/AAAAAAAAAMk/mCbPkN1Y3uo/s320/carvesp+.jpg" width="209" /></a></td></tr>
<tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;">ヴェスプッチの航海</td></tr>
</tbody></table>
<br />
「当時のイタリア半島列強が、有能な自国航海士を率いて外洋航路開拓に努めていれば…」<br />
「今頃、中南米はイタリア語圏になっていたかもしれない…」<br />
そんな仮説をイタリア人に問うと、彼らは一様に、思いもかけない顔をします。<br />
当時も、そんなことはまったく考えていなかったのでしょうか…。<br />
<br />
ともすれば、きらびやかに語られる「大航海時代」。<br />
しかしその陰に、原住民が受けた略奪や虐殺の歴史があったことを、決して忘れてはいけません。<br />
その大きな犠牲の元に築かれた繁栄を、イタリア半島諸国が手にしなかったことは、現在の<br />
イタリア人がもつ素朴なメンタリティにつながる、彼らの歴史上の幸いだったとも思えてきます。<br />
<br />
<br />
ポルトガル、スペインに続いて、イギリス、オランダ、フランスも「大航海時代」の主役に躍り出ます。<br />
アメリカ大陸のみならず、アフリカ、アジア、オセアニア地域を次々に植民地にしていき、<br />
現代まで続くヨーロッパ主導の世界秩序が、このとき形成されることになったのです。<br />
<br />
日本にも1543年にポルトガル人が種子島に漂着し、戦国時代を大きく変えていきました。<br />
明治維新後は、欧米列強によるアジア植民地化の時勢とともに近代化の道を歩んでいきました。<br />
<br />
私たちの歴史とも深く関わっていく近代世界史。<br />
イタリアの航海士たちがその扉を開く大きな足跡を残したことが、実は「アメリカ大陸」という<br />
名称にも隠されていることを、ぜひ知ってもらえればと思います。<br />
<br />
<br />
今年はアメリゴ・ヴェスプッチの没後500周年にあたり、彼の出身地・フィレンツェでは、<br />
年末まで様々な関連イベントが開催されています。<br />
<br />
ヴェスプッチ2012実行委員会・公式サイト(イタリア語・英語)<br />
<a href="http://www.vespucci2012.com/?lang=it">http://www.vespucci2012.com/?lang=it</a>
<br />
<br />
<br />
【関連バックナンバー】<br />
<a href="http://barbellaitalia.blogspot.it/2012/02/1.html">日伊友好史(1) - 戦国時代・カトリック宣教師</a><br />
<a href="http://barbellaitalia.blogspot.it/2012/02/2.html">日伊友好史(2) - 明治時代・お雇い外国人</a><br />
<br />
<br />Barista Yuskehttp://www.blogger.com/profile/09556821229703776922noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-3873260544393711217.post-1844050337213252192012-06-26T03:19:00.000+02:002012-06-26T03:22:25.051+02:00カンパリ・オレンジカンパリ・オレンジは、日本で最もよく知られたカクテルのひとつ。<br />
イタリアのリキュール・カンパリを、オレンジジュースで割った、ロングドリンクです。<br />
ご家庭でもとてもカンタンにつくることができますし、ビタミンも補える健康的な一杯です。<br />
<br />
世界的には、別名「ガリバルディ」という名前でもお馴染みです。<br />
イタリア統一の父、ジュゼッペ・ガリバルディ(Giuseppe Garibaldi)の名を冠したのは、<br />
「イタリアの代表的リキュールを使ったから」という理由だけではありません。<br />
<br />
彼の代名詞ともいうべき部隊・赤シャツ隊の「赤」をカンパリの色になぞらえて、赤シャツ隊が<br />
まず上陸したシチリア島がオレンジの一大名産地であることから、その名がつきました。<br />
非常に意味深い、よくできたネーミングだと、つくづく感心させられます。<br />
<br />
カンパリ・オレンジのグラスを傾けながら、こうしたイタリアの偉大な歴史に思いを馳せるのも、<br />
また一興…。<br />
いつもの一杯の中に、祖国統一にかけた先人たちの熱狂的な歓声まで、聴こえてくるようです。<br />
<br />
<table align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="margin-left: auto; margin-right: auto; text-align: center;"><tbody>
<tr><td style="text-align: center;"><a href="http://2.bp.blogspot.com/-aeE2xd6dxEE/T-kHM07lujI/AAAAAAAAAMw/VuYqBABr0nM/s1600/DSC06863.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" height="300" src="http://2.bp.blogspot.com/-aeE2xd6dxEE/T-kHM07lujI/AAAAAAAAAMw/VuYqBABr0nM/s400/DSC06863.JPG" width="400" /></a></td></tr>
<tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;">Campari Orange "Garibaldi"</td></tr>
</tbody></table>
<br />
【関連バックナンバー】<br />
<a href="http://barbellaitalia.blogspot.it/2011/03/150.html">リソルジメントとイタリア統一150周年</a><br />
<a href="http://barbellaitalia.blogspot.it/2012/05/blog-post_30.html">イタリアのリキュール・カンパリ</a><br />
<a href="http://barbellaitalia.blogspot.it/2012/01/blog-post_11.html">しぼりたてスプレムータ</a><br />
<br />
<br />Barista Yuskehttp://www.blogger.com/profile/09556821229703776922noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-3873260544393711217.post-69242442704670431212012-06-21T06:24:00.000+02:002012-06-21T06:27:42.034+02:00イタリアのレトロドリンク・キノットイタリア独特の炭酸清涼飲料に、「キノット」(Chinotto)があります。<br />
バールやリストランテ、スーパーでもとてもポピュラー。<br />
イタリアを訪れた際には、ぜひ試してみるといいでしょう。<br />
<br />
<table align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="margin-left: auto; margin-right: auto; text-align: center;"><tbody>
<tr><td style="text-align: center;"><a href="http://3.bp.blogspot.com/-lBKeAkbAEKs/T-Kdqos5uXI/AAAAAAAAAMM/_XW3m8j0KfY/s1600/DSC06660.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" height="320" src="http://3.bp.blogspot.com/-lBKeAkbAEKs/T-Kdqos5uXI/AAAAAAAAAMM/_XW3m8j0KfY/s320/DSC06660.JPG" width="240" /></a></td></tr>
<tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;">Chinotto</td></tr>
</tbody></table>
<br />
見た目はコーラそのものですが、柑橘系の爽やかな香りと、ほろ苦さが特徴。<br />
それもそのはず、その名も「キノット」と呼ばれるミカンに似たフルーツが原料なのです。<br />
<br />
キノットとは、ミカン科シトラス属の希少な一種で、オレンジ色の厚い皮をもつ小さな果実。<br />
イタリア語で「中国」を意味する「チーナ」(Cina)を語源にする通り、16世紀頃に中国から<br />
イタリアに渡ったとされています。<br />
しかし現在では、中国のみならず他のアジア諸国でも栽培されているデータがないため、<br />
そもそも地中海原産だとする研究者もいるようです。<br />
実際、世界でも、生産地はイタリアとフランス南部コート・ダジュールに限られているとのこと。<br />
<br />
イタリアでの主な生産地はリグーリア州、カラーブリア州、シチリア州。<br />
中でもリグーリア州サヴォーナ産(Chinotto di Savona)は特に有名で、スローフード協会の、<br />
小規模生産者と伝統製法を守り支援する「プレシディオ」(Presidio)にも指定されています。<br />
<br />
しかし、強い酸味と苦味は食用には適さないようで、主にドリンクやシロップの原材料として<br />
使われているとのこと。<br />
青果市場でも訊ねてみましたが、果実はなかなか流通していません。<br />
<br />
それに反してキノットのドリンクは、イタリア中どこでも目にします。<br />
1930年代から親しまれているといい、おじいちゃんから子供まで、その幅広い人気にいつも<br />
驚かされます。<br />
<br />
ここでひとつ、キノットを美味しく飲むヒント。<br />
グラスにオレンジスライスも入れてもらうよう、頼んでみましょう。<br />
イタリア人の中でも、キノットを飲んで育った年配の方がよく注文される飲み方です。<br />
小さなことでも、実はイタリア人の大きなこだわり。バリスタに頼めば、あなたのことを「通」だと<br />
見なすはずですよ!<br />
<br />
<br />
【関連バックナンバー】<br />
<a href="http://barbellaitalia.blogspot.it/2012/03/blog-post_09.html">秘蔵ドリンク・スプーマ</a><br />
<br />
<br />Barista Yuskehttp://www.blogger.com/profile/09556821229703776922noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-3873260544393711217.post-1800075028035592822012-06-19T03:46:00.000+02:002012-06-20T06:23:11.806+02:00ヒヨコマメのピッツァイタリア中部・トスカーナ州には、世界にも名高い、様々な郷土料理があります。<br />
その中でも、山間部のフィレンツェやシエナとは異なる、独自の名物料理を数多く生んでいるのが、<br />
地中海に面した港湾都市・リヴォルノ。<br />
魚介スープ・カッチュッコや、以前にも紹介したリヴォルノ風コーヒーなどは、特に有名です。<br />
<br />
私の友人で、フィレンツェの著名なバリスタであるアルマンド・モラーダ氏は、このリヴォルノ出身。<br />
世界的な5つ星ホテルをはじめ多くの有名店で腕をふるってきた彼は、フィレンツェ料理界に<br />
幅広い人脈をもつ、私のトスカーナ郷土料理研究の重要な協力者です。<br />
その彼が、またひとつ、「チェチーナ」(Cecina)というリヴォルノ料理を紹介してくれました。<br />
<br />
日本では珍しいヒヨコマメの粉を練った、窯焼きの一品。<br />
トスカーナ州では、「ヒヨコマメのタルト」という意味の「トルタ・ディ・チェチーナ」(Torta di Cecina)<br />
という呼び名もあります。<br />
<br />
<span style="background-color: white;"></span><br />
<span style="background-color: white;"></span><br />
<table align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="margin-left: auto; margin-right: auto; text-align: center;"><tbody>
<tr><td style="text-align: center;"><a href="http://1.bp.blogspot.com/-vEM3PSF92rw/T9_MzpgTdhI/AAAAAAAAALk/g8j0Ln7nV4w/s1600/DSC07090.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" height="240" src="http://1.bp.blogspot.com/-vEM3PSF92rw/T9_MzpgTdhI/AAAAAAAAALk/g8j0Ln7nV4w/s320/DSC07090.JPG" width="320" /></a></td></tr>
<tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;">Cecina</td></tr>
</tbody></table>
<br />
リヴォルノから海岸沿いに約50km北上すると、ヴィアレッジョの町があります。<br />
真冬の派手なカーニヴァルは、イタリア三大カーニヴァルにも数えられ、夏のビーチリゾートと<br />
しても有名なこの町は、アルマンド氏が週末を過ごす場所。<br />
先日、彼とこの町を訪れた際、強い勧めで、あるお店に連れて行ってくれました。<br />
<br />
ピッツェリア「リツィエーリ」(Rizieri)<br />
1938年創業の老舗で、ヴィアレッジョ市民に愛されている、町一番の名店だということ。<br />
<br />
<span style="background-color: white;"></span><br />
<span style="background-color: white;"></span><br />
<table align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="margin-left: auto; margin-right: auto; text-align: center;"><tbody>
<tr><td style="text-align: center;"><a href="http://4.bp.blogspot.com/-C2RJm0TJXAE/T9_OQxre3SI/AAAAAAAAALs/eB-mK1c3ZRQ/s1600/DSC07093.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" height="240" src="http://4.bp.blogspot.com/-C2RJm0TJXAE/T9_OQxre3SI/AAAAAAAAALs/eB-mK1c3ZRQ/s320/DSC07093.JPG" width="320" /></a></td></tr>
<tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;">Pizzeria "Rizieri"</td></tr>
</tbody></table>
<br />
お店に入ると、まず目に入るのが、とても大きな薪窯とピッツァが並ぶカウンター。<br />
70年代から変わらない懐かしさの漂う内装は、長年地元の人々に愛されている証でしょう。<br />
<br />
その奥に簡単な食堂も併設していますが、このカウンターに並ぶ切り売りピッツァが名物です。<br />
好きな分だけ切り分けてくれ、量り売りをしてくれるピッツァは、店内のテーブルですぐに食べる<br />
ことができます。<br />
カリッと歯ごたえのある裏地と、ふっくら焼けたもっちりした生地の、コントラストが絶品!<br />
<br />
<table align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="margin-left: auto; margin-right: auto; text-align: center;"><tbody>
<tr><td style="text-align: center;"><a href="http://2.bp.blogspot.com/-lNPfScWLmP8/T9_Se3scQaI/AAAAAAAAAL4/NQ1z7w2YXt8/s1600/DSC07097.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" height="320" src="http://2.bp.blogspot.com/-lNPfScWLmP8/T9_Se3scQaI/AAAAAAAAAL4/NQ1z7w2YXt8/s320/DSC07097.JPG" width="240" /></a></td></tr>
<tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;">Pizza al taglio</td></tr>
</tbody></table>
<br />
そしてここで、ピッツァに並んで名物のチェチーナを、初めて食べることになりました。<br />
<br />
ヒヨコマメの優しい風味と薪のスモーキーな香りが絶妙で、非常にやわらかくデリケートな食感に、<br />
とろけるような幸福感が口いっぱいに広がりました。<br />
<br />
チェチーナの原材料はとてもシンプル。ヒヨコマメの粉とオリーブオイル、水、塩だけ。<br />
それらを練った生地を数時間寝かせ、オーブン用の大きな平鍋にのせて薪窯で焼きます。<br />
平鍋が熱せられて生地が焦げる前に、サッと焼き上げるのがポイント。<br />
表面だけがうっすらと香ばしく焼ける程度で、ごく薄い生地はジューシーそのもの!<br />
<br />
こちらも、好きな分だけ切り売りしてくれ、カウンターに置いてある黒コショウを好みでかける<br />
ことで、さらに味にメリハリがつきます。<br />
<br />
<table align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="margin-left: auto; margin-right: auto; text-align: center;"><tbody>
<tr><td style="text-align: center;"><a href="http://1.bp.blogspot.com/-ZN5NXlxNTSA/T9_T1CiwPHI/AAAAAAAAAMA/Lc-6vSRlA9E/s1600/DSC07096.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" height="240" src="http://1.bp.blogspot.com/-ZN5NXlxNTSA/T9_T1CiwPHI/AAAAAAAAAMA/Lc-6vSRlA9E/s320/DSC07096.JPG" width="320" /></a></td></tr>
<tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;">Cecina</td></tr>
</tbody></table>
チェチーナには、「チンクエ・エ・チンクエ」(Cinque e Cinque)というメニューがあるそうです。<br />
「5&5」という意味ですが、値段50セントのチェチーナを、同50セントのフォカッチャで挟んだもので、<br />
地元では有名な“裏メニュー”。<br />
<br />
チェチーナは、リヴォルノ地方の薪窯のあるピッツェリアで見つけることができます。<br />
ファリナータと呼ばれるリグーリア州でも、名物のフォカッチャを焼くお店の定番メニュー。<br />
リストランテでは味わえない、庶民の地方料理の素朴な美味しさをぜひ味わってみてください。<br />
<br />
ところで、リヴォルノから海岸沿いに約40km南下したところに、チェーチナという町がありますが、<br />
両者の意味上の関係はありません。<br />
混同しないように、アクセントに気をつけて注文してくださいね!<br />
<br />
<br />
Pizzeria "Rizieri"<br />
Via C. Battisti, 35/37 Viareggio (LU)<br />
Tel. 0584-962053<br />
<br />
<br />
【関連バックナンバー】<br />
<a href="http://barbellaitalia.blogspot.it/2011/12/blog-post_30.html">ジェノヴァ名物・フォカッチャ</a><br />
<a href="http://barbellaitalia.blogspot.it/2012/01/blog-post.html">漁師のコーヒー</a><br />
<a href="http://barbellaitalia.blogspot.it/2011/02/blog-post_18.html">冬のお祭り・カルネヴァーレ</a><br />
<br />
<br />Barista Yuskehttp://www.blogger.com/profile/09556821229703776922noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-3873260544393711217.post-297418590886237442012-06-07T05:28:00.000+02:002012-06-07T05:44:58.080+02:00サバティーニの伝統フィレンツェを見下ろす丘の上の町・フィエーゾレ。<br />
ローマ時代の遺跡が点在するこの小さな町は、実はそれ以前のエトルリア時代からの古い歴史を<br />
誇り、その歴史的経緯から「フィレンツェ発祥の地」、「フィレンツェの母」などと謳われています。<br />
<br />
フィレンツェからフィエーゾレへと上る坂道には、緑あふれる田園風景が広がり、大きなヴィッラが<br />
並んでいます。いずれも世界の富豪たちの別荘。<br />
超高級別荘地を優雅に抜ける、緩やかな山道からは、レンガ色に広がる美しいフィレンツェの<br />
街並みを望むことができ、その中心にドゥオーモのクーポラがひときわ大きくそびえています。<br />
<br />
その丘の中腹に、サン・ドメニコ地区(San Domenico)の町があります。<br />
フィレンツェ・グルメ社交界の顔役、マッシミリアーノ・フェッリ氏が、ここにある一軒のリストランテを<br />
紹介してくれました。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://1.bp.blogspot.com/-8oks-rqP2ZQ/T8l2MK1NQ2I/AAAAAAAAALY/dVW0KF-5-s4/s1600/DSC07015.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="320" src="http://1.bp.blogspot.com/-8oks-rqP2ZQ/T8l2MK1NQ2I/AAAAAAAAALY/dVW0KF-5-s4/s320/DSC07015.JPG" width="240" /></a></div>
<br />
「ピアッティ・エ・ファゴッティ」(Piatti e Fagotti)<br />
<br />
オーナーはトンマーゾ・サバティーニ氏。<br />
空手師範であるフェッリ氏と、同じく空手家の同氏は、古いつきあいだといいます。<br />
ランチのやや遅い時間に訪れた私たちでしたが、トンマーゾ氏は大いに歓迎してくれ、<br />
2種類のラザーニャをごちそうしてくれました。<br />
<br />
旬であるアーティチョークのラザーニャは、春らしい軽やかな逸品。<br />
もうひとつ、伝統的なトマトベースのラザーニャは、挽き肉ではなく牛肉がそのまま入った<br />
ミートソースが、旨味をさらに引き立てています。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://2.bp.blogspot.com/-fxUcDQLi4Gk/T8l1FDYq7eI/AAAAAAAAALA/ER6IA4eQugI/s1600/DSC07009.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="150" src="http://2.bp.blogspot.com/-fxUcDQLi4Gk/T8l1FDYq7eI/AAAAAAAAALA/ER6IA4eQugI/s200/DSC07009.JPG" width="200" /></a><a href="http://1.bp.blogspot.com/-sHn53jMqaDs/T8l1LCDgyxI/AAAAAAAAALI/D7RbWxFPVxg/s1600/DSC07010.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="150" src="http://1.bp.blogspot.com/-sHn53jMqaDs/T8l1LCDgyxI/AAAAAAAAALI/D7RbWxFPVxg/s200/DSC07010.JPG" width="200" /></a></div>
<br />
フィレンツェに本店を構える、世界的名店「サバティーニ」(Sabatini)。<br />
東京・銀座にも出店していて、30年以上に渡って日本に本格イタリアンを伝えた老舗として、<br />
ご存じの方も多いのではないでしょうか。<br />
その創業者、ヴィンチェンツォ・サバティーニ氏は、トンマーゾ氏の祖父にあたる方です。<br />
<br />
ヴィンチェンツォ氏の息子(トンマーゾ氏の父)が心理学者の道を進んだため、「サバティーニ」の<br />
経営権は1980年に他者に引き継がれています。<br />
そして、再び料理への回帰を志した孫のトンマーゾ氏がリストランテをオープンさせたのが、<br />
ここフィエーゾレのサン・ドメニコ。<br />
フィレンツェの母なるフィエーゾレで、伝統的なフィレンツェ料理を提供しています。<br />
<br />
<table align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="margin-left: auto; margin-right: auto; text-align: center;"><tbody>
<tr><td style="text-align: center;"><a href="http://2.bp.blogspot.com/-1J9Z2sJJ78s/T8l158QXx9I/AAAAAAAAALQ/8R-ibNBCLCk/s1600/DSC07019.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" height="240" src="http://2.bp.blogspot.com/-1J9Z2sJJ78s/T8l158QXx9I/AAAAAAAAALQ/8R-ibNBCLCk/s320/DSC07019.JPG" width="320" /></a></td></tr>
<tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;">Gastronomia</td></tr>
</tbody></table>
<br />
同店の特徴として、リストランテの入口に、惣菜カウンター・ガストロノミアを併設していることが<br />
挙げられます。<br />
ここでは様々な食材を購入できるほか、各種惣菜をテイクアウトすることもできます。<br />
パニーノもぜひつくってもらいましょう!<br />
<br />
ランプレドット(Lampredotto)はオススメ。<br />
日本では「ギアラ」と呼ばれる牛の第4胃袋で、パニーノにはさんで食べるスタイルは、<br />
フィレンツェでしか味わえない定番の伝統料理です。<br />
牛の第2胃袋、いわゆる「ハチノス」の煮込み・トリッパ(Trippa)も用意しています。<br />
<br />
パルマ、サン・ダニエーレといったイタリアを代表する生ハムはもちろん、ぜひ試したいのが、<br />
シエナ産黒豚、チンタ・セネーゼの生ハム。<br />
スライサーではなく、手で直接切り分けるので、繊細な風味を存分に味わうことができます。<br />
チーズも、ピエンツァ産ペコリーノ(Pecorino di Pienza)をはじめ、各種揃えてあります。<br />
<br />
<br />
ガストロノミアでテイクアウトして、オリーブ林の広がるフィエーゾレの田園で食べるのも、<br />
とても気持ちの良いものでしょう。<br />
眼下に広がる“花の都”フィレンツェの、ため息の出るような美しいパノラマが、忘れがたい味の<br />
最後のスパイスです。<br />
<br />
<br />
Gastronomia - Antico Ristoro "piattiefagotti"<br />
Via delle Fontanelle 3/9/11 San Domenico, Fiesole<br />
<a href="http://www.piattiefagotti.com/en/">http://www.piattiefagotti.com</a>(イタリア語)<br />
<br />
<br />
【関連バックナンバー】<br />
<a href="http://barbellaitalia.blogspot.it/2012/01/blog-post_17.html">惣菜屋・ガストロノミア活用法</a><br />
<br />
<br />Barista Yuskehttp://www.blogger.com/profile/09556821229703776922noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-3873260544393711217.post-57195562232929277882012-06-02T05:23:00.001+02:002012-06-02T06:53:57.070+02:00フェラガモのワインサルヴァトーレ・フェラガモといえば、世界的に有名なファッションブランド。<br />
イタリア南部に生まれた彼は、靴職人としてアメリカで名声を得た後、1927年にフィレンツェで<br />
同ブランド店を開業しました。<br />
現在でも、本社と博物館が、フィレンツェ市内のスピーニ・フェローニ宮殿に置かれています。<br />
<br />
世界有数の資産家となったフェラガモ家ですが、実は現在、ワイン造りも行っています。<br />
先日、フェラガモ本社のある同じアルノ川沿いのバールで、そのワインを飲む機会がありました。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://2.bp.blogspot.com/-hYN0P9-F-Jc/T72i60hqIxI/AAAAAAAAAKU/OT0OeopEGyk/s1600/DSC07111.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="300" src="http://2.bp.blogspot.com/-hYN0P9-F-Jc/T72i60hqIxI/AAAAAAAAAKU/OT0OeopEGyk/s400/DSC07111.JPG" width="400" /></a></div>
<br />
「イル・ボッロ」(Il Borro)/イル・ボッロ農園(La Tenuta il Borro)<br />
2008年・IGT (Indicazione Geografica Tipica)<br />
<br />
やや紫がかった非常に濃い赤色で、味も濃厚。厚みのあるタンニンを強く感じながらも、<br />
バランスの良い深みがあり、コクのある優美な香りの余韻も、いつまでも持続するほど。<br />
以下の4種類のブドウを使用し、2年間熟成(樽18ヶ月+ボトル6ヶ月)を経たワインです。<br />
<br />
50% メルロー(Merlot)<br />
35% カベルネ・ソーヴィニョン(Cabernet Sauvignon)<br />
10% シラー(Syrah)<br />
5% プティ・ヴェルド(Petit Verdot)<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://2.bp.blogspot.com/-djTrodcmtic/T72iwd-zF1I/AAAAAAAAAKM/TnyParQOC4w/s1600/DSC07122.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="320" src="http://2.bp.blogspot.com/-djTrodcmtic/T72iwd-zF1I/AAAAAAAAAKM/TnyParQOC4w/s320/DSC07122.JPG" width="240" /></a></div>
<br />
フィレンツェからアレッツォに向かう街道に広がる、アルノ渓谷(Val d'Arno)。<br />
そのプラトマーニョ山麓に、イル・ボッロ村があります。<br />
数百万年前の古代には、いくつもの大きな湖がこの渓谷全体に広がっていたといい、<br />
その豊潤な水で形成された肥沃な大地が、このワインを育んでいるのです。<br />
<br />
1993年、フェラガモ家の依頼を受けたワイン醸造家、ニコロ・ダッフリット氏(Nicolò D'Afflitto)が、<br />
地質調査の結果を踏まえ、イル・ボッロ村に新たなブドウを植える助言をしました。<br />
在来種のサンジョヴェーゼではなく、すべて外来種でつくられた「イル・ボッロ」は、いわゆる<br />
“スーパー・タスカン”ワインとして、すぐに高い評価を受けます。<br />
<br />
イル・ボッロ村の中世の小さな町と周辺の広大な土地のすべては、同年にフェラガモ家によって<br />
購入され、アグリトゥーリズモ的な自然滞在型の超高級保養地として大きく変貌しました。<br />
ワイナリーの他、オリーブオイルの生産、キアニーナ牛の飼育なども行われ、リストランテでは<br />
伝統的な土地の食文化をベースにした、洗練された料理を味わうことができるとのこと。<br />
<br />
<br />
さて、このイル・ボッロ農園では、他の銘柄も生産しています。<br />
100%サンジョヴェーゼの「ポリッセーナ」(Polissena)、75%シラー+25%サンジョヴェーゼの<br />
「ピアン・ディ・ノーヴァ」(Pian di Nova)は、いずれも18ヶ月熟成の赤ワイン。<br />
そして、100%シャルドネの白ワイン、「ラメッレ」(Lamelle)。<br />
<br />
世界中で称賛される、フェラガモのモノづくりの伝統を、ぜひワインでもお試しください!<br />
徹底して追求した上質の味を、感じていただけるはずです。<br />
<br />
<br />
イル・ボッロ・公式サイト(イタリア語・英語)<br />
<a href="http://ilborro.it/">http://ilborro.it/</a>
<br />
<br />
<br />
【関連バックナンバー】<br />
<a href="http://barbellaitalia.blogspot.it/2012/02/blog-post.html">ボルゲリ - ブドウ畑の貴族邸</a><br />
<a href="http://barbellaitalia.blogspot.it/2012/03/blog-post_17.html">アグリトゥーリズモ料理</a><br />
<br />
<br />Barista Yuskehttp://www.blogger.com/profile/09556821229703776922noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-3873260544393711217.post-81589698583037769112012-05-31T02:45:00.000+02:002012-05-31T02:45:02.988+02:00カフェ・コレット日本のイタリアンバールでもお馴染みの、カフェ・コレット。<br />
エスプレッソに少量のアルコールを注いだコーヒーです。<br />
<br />
イタリア語の発音では、カフェ・コッレット(Caffè Corretto)に近いですが、日本語の感覚では<br />
やや言いづらいですね。<br />
「正す、訂正する、味を良くする」といった意味で、「(アルコールを)加味したエスプレッソ」と<br />
いうニュアンスです。<br />
<br />
日本では、「グラッパ入りエスプレッソ」と訳されることが多いのですが、加えるアルコールは<br />
それだけとは限りません。<br />
グラッパと同じ蒸留酒のブランデーやコニャック、イタリア産ビター系リキュールのアマーロ、<br />
アニス酒のサンブーカは、いずれもポピュラー。<br />
<br />
食後のエスプレッソに、アルコール度の高い食後酒を加えることで、消化を助ける働きが<br />
あります。<br />
ランチやディナーの後や、特に冬の寒い日では午後の一杯としてもよく飲まれます。<br />
<br />
日本ではむしろ、スウィート系リキュールを加えるメニューが一般的ですが、これは苦味が<br />
苦手な日本人向けアレンジだといえます。<br />
アマレット(アーモンド)、ベイリーズ(ウィスキー&クリーム)、カルーア(コーヒー・クリーム)、<br />
フランジェリコ(ヘーゼルナッツ)、コアントロー(オレンジの果皮)など。<br />
<br />
こうした観点から見れば、アプリコット・ブランデーやクレーム・ド・カカオ、チョコレートや<br />
ピーチなどのリキュールもよく合うのでは…?<br />
<br />
メニューに載っていなくてもカウンターに並ぶボトルで選べれば、それは間違いなく<br />
イタリア流のバールの楽しみ方。<br />
オリジナリティ溢れるアイデアで、自分好みのカフェ・コレットを注文してみてくださいね!<br />
<br />
<table align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="margin-left: auto; margin-right: auto; text-align: center;"><tbody>
<tr><td style="text-align: center;"><a href="http://4.bp.blogspot.com/--Dsg70IM95I/T8aT1lfotHI/AAAAAAAAAK0/FQWsXDkETKo/s1600/DSC07127.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" height="240" src="http://4.bp.blogspot.com/--Dsg70IM95I/T8aT1lfotHI/AAAAAAAAAK0/FQWsXDkETKo/s320/DSC07127.JPG" width="320" /></a></td></tr>
<tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;">Caffè Corretto</td></tr>
</tbody></table>
<br />
【関連バックナンバー】<br />
<a href="http://barbellaitalia.blogspot.it/2012/01/blog-post_09.html">イタリアの薬用酒・アマーロ</a><br />
<a href="http://barbellaitalia.blogspot.it/2012/01/blog-post.html">漁師のコーヒー</a><br />
<br />
<br />Barista Yuskehttp://www.blogger.com/profile/09556821229703776922noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-3873260544393711217.post-10047728149406881172012-05-30T04:06:00.001+02:002012-05-30T04:08:19.472+02:00イタリアのリキュール・カンパリイタリアのバールのカウンターには、色とりどりのリキュールやスピリッツ(蒸留酒)のボトルが<br />
たくさん並んでいます。<br />
レアなボトルを見つけたりと、眺めているだけでも楽しいのですが、ではその中で一番人気の<br />
あるボトルは何でしょう?<br />
<br />
答えは「カンパリ」。<br />
イタリアが世界に誇るリキュールで、その鮮やかな赤色と爽やかなほろ苦さが特徴です。<br />
<br />
<br />
バールでの消費量は他のボトルを圧倒していて、バリスタとしては、在庫管理と発注において<br />
まずチェックするボトルでもあります。<br />
<br />
一番人気といっても、それは消費量の話。カンパリ単体で飲まれることは、ほとんどありません。<br />
例えば「カンパリ」と注文すれば、「カンパリソーダ」のことだと理解されるでしょう。<br />
1930年代に発売されたカンパリソーダの小瓶は、そのデザインも変わらず愛されています。<br />
カンパリソーダには、お好みで氷やオレンジスライスを入れてもらいましょう。<br />
これに少量のジンを加えるのもポピュラー。<br />
<br />
ボトルのカンパリ・リキュールを注文する際は、「ビッテル・カンパリ」(Bitter Campari)と言って<br />
みてください。<br />
白ワインやスプマンテに少量のカンパリを注ぐ注文も非常に多く、アペリティーヴォ(食前酒)に<br />
ふさわしい華やかさを演出してくれます。<br />
<br />
こうしたカジュアルな飲み方の他、やはりカクテルの材料として有名ですね。<br />
イタリアでは、「アメリカーノ」と「ネグローニ」が大人気!<br />
近年流行している「アペロール・スプリッツ」も、アぺロールに代えてカンパリを使う注文が<br />
増えています。<br />
<br />
日本で人気の「カンパリオレンジ」は実はそれほど注文は多くなく、「スプモーニ」に至っては、<br />
その存在すら知られていないのが不思議ですが…。<br />
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<table align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="margin-left: auto; margin-right: auto; text-align: center;"><tbody>
<tr><td style="text-align: center;"><a href="http://4.bp.blogspot.com/-5tIg140sCEY/T8V6xd23zgI/AAAAAAAAAKg/JLusyVn301I/s1600/DSC06868.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" height="240" src="http://4.bp.blogspot.com/-5tIg140sCEY/T8V6xd23zgI/AAAAAAAAAKg/JLusyVn301I/s320/DSC06868.JPG" width="320" /></a></td></tr>
<tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;">Campari Soda</td></tr>
</tbody></table>
<br />
イタリアのバールはもとより、世界中で大人気のカンパリ。<br />
その誕生はイタリア北部、ミラノ近郊の町・ノヴァーラでした。<br />
<br />
この町でバールを経営していたガスパーレ・カンパリ氏(Gaspare Campari)が、「ローザ・カンパリ」<br />
(Rosa Campari)と呼んだ新しいリキュールを開発します。<br />
これが現在のカンパリで、レシピは当時とまったく変わっていません。<br />
様々な野草、香草、果実を抽出したものですが、製法は秘伝として明かされていないため、<br />
原材料は20種類と言う人もいれば、60種類と言う人もいるようです。<br />
<br />
その新商品を売り出すべく、1860年、ガスパーレ氏はミラノ社交界の中心・ガッレリアに、<br />
「カフェ・カンパリ」をオープンさせます。<br />
カンパリはアペリティーヴォの主役として、瞬く間にミラノ市民に大評判になったといいます。<br />
<br />
息子のダヴィデ・カンパリ氏(Davide Campari)が2代目を継ぎ、ビジネスに長けた彼の戦略のもと、<br />
世界的な酒造メーカーとして大きな発展を遂げました。<br />
<br />
カンパリは現在、世界190ヶ国以上で販売されていて、他の様々な銘柄もグループ傘下に<br />
収めています。<br />
チンザーノ(ヴェルモット)、チナール(アマーロ)、アペロール、フランジェリコ(ともにリキュール)、<br />
SKYY(ウォッカ)、ワイルド・ターキー(バーボン・ウィスキー)などは、耳にしたこともあるのでは<br />
ないでしょうか。<br />
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<table align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="margin-left: auto; margin-right: auto; text-align: center;"><tbody>
<tr><td style="text-align: center;"><a href="http://1.bp.blogspot.com/-nGWlxbC5hn4/T8V6-SgnXRI/AAAAAAAAAKo/-YcLHZmJeYg/s1600/DSC07004.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" height="240" src="http://1.bp.blogspot.com/-nGWlxbC5hn4/T8V6-SgnXRI/AAAAAAAAAKo/-YcLHZmJeYg/s320/DSC07004.JPG" width="320" /></a></td></tr>
<tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;">Bitter Campari</td></tr>
</tbody></table>
<br />
ミラネーゼ(ミラノっ子)の誇りであるカンパリは、今では「イタリアの情熱の赤」に形容され、<br />
世界中でその輝きを増しています。<br />
<br />
"CAMPARI"の"R"を取れば…、"カンパイ(乾杯)"ですね!<br />
そんなシャレでイタリア人に日本語を教えつつ、今日もカンパリのグラスには友人の笑顔が<br />
映っています。<br />
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カンパリ社・公式サイト(イタリア語・英語・ドイツ語)<br />
<a href="http://www.campari.com/">http://www.campari.com/</a>
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【関連バックナンバー】<br />
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<a href="http://barbellaitalia.blogspot.it/2012/04/blog-post_19.html">食前酒・アペリティーヴォ…って何?</a><br />
<a href="http://barbellaitalia.blogspot.it/2012/03/blog-post_25.html">宵のいざない・ヴェルモット</a><br />
<a href="http://barbellaitalia.blogspot.it/2012/01/blog-post_09.html">イタリアの薬用酒・アマーロ</a><br />
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