サルヴァトーレ・フェラガモといえば、世界的に有名なファッションブランド。
イタリア南部に生まれた彼は、靴職人としてアメリカで名声を得た後、1927年にフィレンツェで
同ブランド店を開業しました。
現在でも、本社と博物館が、フィレンツェ市内のスピーニ・フェローニ宮殿に置かれています。
世界有数の資産家となったフェラガモ家ですが、実は現在、ワイン造りも行っています。
先日、フェラガモ本社のある同じアルノ川沿いのバールで、そのワインを飲む機会がありました。
「イル・ボッロ」(Il Borro)/イル・ボッロ農園(La Tenuta il Borro)
2008年・IGT (Indicazione Geografica Tipica)
やや紫がかった非常に濃い赤色で、味も濃厚。厚みのあるタンニンを強く感じながらも、
バランスの良い深みがあり、コクのある優美な香りの余韻も、いつまでも持続するほど。
以下の4種類のブドウを使用し、2年間熟成(樽18ヶ月+ボトル6ヶ月)を経たワインです。
50% メルロー(Merlot)
35% カベルネ・ソーヴィニョン(Cabernet Sauvignon)
10% シラー(Syrah)
5% プティ・ヴェルド(Petit Verdot)
フィレンツェからアレッツォに向かう街道に広がる、アルノ渓谷(Val d'Arno)。
そのプラトマーニョ山麓に、イル・ボッロ村があります。
数百万年前の古代には、いくつもの大きな湖がこの渓谷全体に広がっていたといい、
その豊潤な水で形成された肥沃な大地が、このワインを育んでいるのです。
1993年、フェラガモ家の依頼を受けたワイン醸造家、ニコロ・ダッフリット氏(Nicolò D'Afflitto)が、
地質調査の結果を踏まえ、イル・ボッロ村に新たなブドウを植える助言をしました。
在来種のサンジョヴェーゼではなく、すべて外来種でつくられた「イル・ボッロ」は、いわゆる
“スーパー・タスカン”ワインとして、すぐに高い評価を受けます。
イル・ボッロ村の中世の小さな町と周辺の広大な土地のすべては、同年にフェラガモ家によって
購入され、アグリトゥーリズモ的な自然滞在型の超高級保養地として大きく変貌しました。
ワイナリーの他、オリーブオイルの生産、キアニーナ牛の飼育なども行われ、リストランテでは
伝統的な土地の食文化をベースにした、洗練された料理を味わうことができるとのこと。
さて、このイル・ボッロ農園では、他の銘柄も生産しています。
100%サンジョヴェーゼの「ポリッセーナ」(Polissena)、75%シラー+25%サンジョヴェーゼの
「ピアン・ディ・ノーヴァ」(Pian di Nova)は、いずれも18ヶ月熟成の赤ワイン。
そして、100%シャルドネの白ワイン、「ラメッレ」(Lamelle)。
世界中で称賛される、フェラガモのモノづくりの伝統を、ぜひワインでもお試しください!
徹底して追求した上質の味を、感じていただけるはずです。
イル・ボッロ・公式サイト(イタリア語・英語)
http://ilborro.it/
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