バールやリストランテ、スーパーでもとてもポピュラー。
イタリアを訪れた際には、ぜひ試してみるといいでしょう。
Chinotto |
見た目はコーラそのものですが、柑橘系の爽やかな香りと、ほろ苦さが特徴。
それもそのはず、その名も「キノット」と呼ばれるミカンに似たフルーツが原料なのです。
キノットとは、ミカン科シトラス属の希少な一種で、オレンジ色の厚い皮をもつ小さな果実。
イタリア語で「中国」を意味する「チーナ」(Cina)を語源にする通り、16世紀頃に中国から
イタリアに渡ったとされています。
しかし現在では、中国のみならず他のアジア諸国でも栽培されているデータがないため、
そもそも地中海原産だとする研究者もいるようです。
実際、世界でも、生産地はイタリアとフランス南部コート・ダジュールに限られているとのこと。
イタリアでの主な生産地はリグーリア州、カラーブリア州、シチリア州。
中でもリグーリア州サヴォーナ産(Chinotto di Savona)は特に有名で、スローフード協会の、
小規模生産者と伝統製法を守り支援する「プレシディオ」(Presidio)にも指定されています。
しかし、強い酸味と苦味は食用には適さないようで、主にドリンクやシロップの原材料として
使われているとのこと。
青果市場でも訊ねてみましたが、果実はなかなか流通していません。
それに反してキノットのドリンクは、イタリア中どこでも目にします。
1930年代から親しまれているといい、おじいちゃんから子供まで、その幅広い人気にいつも
驚かされます。
ここでひとつ、キノットを美味しく飲むヒント。
グラスにオレンジスライスも入れてもらうよう、頼んでみましょう。
イタリア人の中でも、キノットを飲んで育った年配の方がよく注文される飲み方です。
小さなことでも、実はイタリア人の大きなこだわり。バリスタに頼めば、あなたのことを「通」だと
見なすはずですよ!
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