隣国フランス文化の色濃い、文化都市。
リソルジメントを主導し、統一イタリア最初の首都となったサヴォイア王家の、宮廷都市。
イタリア最大の自動車メーカー・フィアット(FIAT)を擁する、工業都市。
名門サッカーチーム・ユヴェントスや冬季五輪開催に代表される、スポーツ都市。
野趣あふれるピエモンテ料理やイタリア随一のワインを生産する、グルメ都市。
そして実はもうひとつ、コーヒーやお菓子、チョコレートに代表される、バール都市でもあるのです。
フランス風の優雅なカフェテリアが多いのが特徴ですね。
ガンベロ・ロッソの格付けガイドブック『バール・ディタリア』(Bar d'Italia)でも、トリノのバールが
軒並み最高評価を受けていて、バール文化の質の高さがよくわかります。
有名なトリノのチョコレートの中でも、私のお気に入りはジャンドゥイオット(Gianduiotto)。
ジャンドゥイア(Gianduia)と呼ばれるヘーゼルナッツ・クリームを使用したチョコレートソースを、
一口サイズのお菓子にしたものです。
口の中で自然にとろけるほど軟らかく、甘さと香ばしさが何ともいえません…。
19世紀半ばに考案された、歴史あるお菓子です。
厳しい冬を迎えるアルプス山麓の町・トリノでは、もちろんホット・チョコレート(イタリア語で
チョコラータ)は、どのバールでも大人気です。
熱々のチョコラータを撹拌しながら保温する専用マシンが、カウンターの上に置いてあり、
その消費量の多さがうかがえます。
しかし、みんなが飲むのはチョコラータだけとは限りません。
チョコラータを使った「ビチェリン」というトリノ名物のコーヒーがあるのです。
「ビチェリン」(Bicerin)とは、「小さなグラス」(Bicchierino)という意味のトリノ方言。
小さなグラスに、チョコラータ、エスプレッソ、フォームドミルクが3層になるように注がれた、
ホットドリンクです。
19世紀のサロンやカフェテリアで広まったという上品さと濃厚な味は、やみつきになりますよ!
チョコレートやチョコラータが好きな方は、ぜひトリノのバールを訪れてみてください!
伝統的なカフェテリアに腰掛けて、華やかな時代のトリノを感じてみるのもいいかもしれません。
il bar storico torinese "AL BICERIN" |
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