2012/02/11

恋人たちのチョコラータ

今年もバレンタインデーが近づいてきました。
チョコレートを準備する方も多いでしょう。

さりげないチョコレートの贈り方として、イタリアンバールに誘ってホット・チョコレートを
ごちそうしてみるなんて、どうでしょうか?
心も身体も温まり、あなたの愛情も恋人にきっと伝わるはずですよ!


もちろん本場イタリアのバールでも、必ず置いてある定番メニューで、大人から子供まで
みんな大好き!
イタリア語でホット・チョコレートはチョコラータ・カルダ(Cioccolata Calda)、または単に
チョコラータといいます。
ホイップ・クリームをのせた、チョコラータ・コン・パンナ(Cioccolata con Panna)も大人気!

「チョコラテリア」(Cioccolateria)の看板を掲げるバールでは、様々な風味のチョコラータを
選ぶこともできます。
ヘーゼルナッツ、アーモンド、ピスタチオ、ココナッツ、オレンジ、ストロベリー、洋ナシ、
バナナ、シナモンなど種類は多く、チョコレートの濃度を選べるところも…。
ウィスキーやブランデー、ラムなどを加えてもらっても美味しいですよ。

欧米で広く飲まれるホット・チョコレートですが、イタリアのチョコラータはドロッととろける
濃厚な口当たりが特徴。「飲む」というより、ティースプーンですくって「食べる」と言った方が
いいかもしれません。

この「とろみ」をつけるのは、バリスタの腕が問われる難度の高い技術です。
ほとんどのバールでは、チョコレートや砂糖、粉末乳などが入っているパウダーがすでに
準備されています。
そこにミルクを加え、エスプレッソ・マシンの蒸気ノズルを使って一気に沸騰させるのですが、
その微妙な分量の違いや、混ぜ方、温め方で、出来上がりが大きく変わり、特に気泡を残さず
上手に作れるバリスタは実のところ数少ないといえるでしょう。

その難しさや手間を省くために、出来上がったチョコラータを専用のマシンに入れて置いて
あるバールも多いですよ。常に撹拌され、適温に保たれているので、下手なバリスタによる
失敗がないのが利点です。

チョコラータには、クッキーやビスケットを浸して食べるのがイタリア流。
チュロスを浸すスペイン文化に近いですね。
私は、イタリアの朝食の定番・ブリオッシュ(クロワッサン)を浸してしまいます!

ミルクが苦手な方は、パウダーに水を混ぜても作れるので、バリスタに尋ねてみてください。
私もバリスタとして、このリクエストは結構受けますよ!軽めに飲みたい方にもオススメです。

面白いのは、夏場はメニューから姿を消すこと。
イタリア人はまず飲まないので、完全な季節メニューです。
他の欧米人や日本人が訪れる観光客向けのバールには置いてあるところもありますが、
真夏にホット・チョコレートを飲む姿は、イタリア人には特異に映ります。
真冬に身体を温めてくれる美味しさが、格別であることだけは確かです。

バールで使われているような粉末タイプのものは、家庭用としても市販されていますが、
とろみをつけるのはなかなか難しいといえます。
ここはぜひ、バールに立ち寄ってみてください。冷たい冬の街歩きも、きっと華やかに
楽しくなることでしょう!


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