2013/03/23

イタリアンな日本車たち

ここ数年、日本を訪れるたびに、前方を走るクルマを見てハッとすることがあります。

日本語のナンバープレートを懐しみながら、頭の中の“言語チャンネル”はすでに日本語。
そこに、ふいに目に飛び込んでくる、思いもかけないイタリア語の文字…。
アルファベットで綴った、車種名のプレートです。


運転することは大好きでも、クルマのモデルを気にすることはなかった私ですが、
こうして目にすると、イタリア語を冠したクルマが実に多いことに気づかされます。

イタリア語として意味が分かる分、開発チームの思いがストレートに伝わるようで、
なかなか面白いものです。
今では運転中も、思わずイタリア語名のクルマを探してしまうほど。
いずれも馴染み深いクルマですが、みなさんはいくつご存知ですか?

◆ トヨタ
プレミオ(Premio) =賞、表彰、プレミアム
パッソ(Passo) =一歩、足どり、ステップ
ポルテ(Porte) =(複数の)扉、ドア

◆ 日産
セレナ(Serena) =平穏な、晴れ渡った
フーガ(Fuga) =フーガ(音楽用語)、逃走、脱出
ムラーノ(Murano) =ヴェネツィアのムラーノ島

◆ スズキ
アルト(Alto) =高い

◆ ダイハツ
タント(Tanto) =たくさんの、とても
ミラ(Mira) =標的、照準

◆ スバル
ステラ(Stella) =星


かつて販売していた往年のクルマにも、イタリア語の名前はありました。

◆ トヨタ
コルサ(Corsa) =走行、レース
コロナ(Corona) =王冠
カリーナ(Carina) =かわいい
ビスタ(Vista) =景色、眺望、視界
アルテッツァ(Altezza) =高さ、高貴

◆ 日産
シルビア(Silvia) =女性の名
グロリア(Gloria) =栄光、栄誉
ラルゴ(Largo) =幅広い、ゆったりした

◆ ダイハツ
クオーレ(Cuore) =心、ハート、中心

◆ スバル
レオーネ(Leone) =ライオン


こうして列挙してみると、トヨタ、日産のイタリア語への傾倒が感じられる反面、
ホンダ、マツダ、三菱のクルマが見当たらないのが面白いところ。
それでも、かつてはイタリア語のクルマもわずかにありました。

◆ ホンダ
ドマーニ(Domani) =明日

◆ マツダ
ルーチェ(Luce) =光、光明
ペルソナ(Persona) =人、人格


ただし、ここで挙げた車名は、イタリア語に見られる名称について、その意味を表記したものです。
一部には、英語やスペイン語、フランス語などの同じ綴りをもつ単語から命名された車種がある
可能性がありますが、意味はさほど変わらないでしょう。

イタリア語の発音的には、「セレナ」は「セレーナ」に近く、「ステラ」は「ステッラ」、さらには
「ビスタ」は「ヴィスタ」としなければ、言語としては通じないことだけ補足しておきます。


自動車の名前は、アメリカ、イギリスといった自動車大国を追随する英語名であることが
多いですよね。
とはいえ、同じ生産大国のドイツを意識したドイツ語名がほとんど見当たらない中で、
イタリア語名が多用される傾向は注目すべきところです。

1980年代はじめの日本におけるスポーツカー・ブームで脚光を浴びた、アルファロメオや
ランボルギーニ、現在でもF1で活躍するフェラーリを産んだ国・イタリア。
その「運転を楽しむクルマ」への憧れがあるのでしょうか。

バールでも、今後そんな話もしてみたいと思います。
こうした日本のトレンドを知れば、イタリア人たちもきっと喜ぶことでしょう!


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