2011/04/24

復活祭・パスクア

今日4月24日はパスクア(イースター/復活祭)の日。
キリストが十字架にかけられて死んでから3日目に復活したことに由来する、宗教行事です。

イタリアではクリスマスに次いでとても重要な祭日になります。
家族や親族が集まって朝のミサに参加し、昼には豪勢な料理で食卓を囲むなどクリスマス同様に
過ごすのですが、パスクアは春の訪れを感じさせる風物詩でもあります。
暖かい陽射しのもと、庭先にテーブルを並べることもあり、食事もワインも美味しくいただけます!


「復活」のシンボルといえば卵。
卵料理はかかせません。

地域によって様々ですが、なかでもジェノヴァ地方のトルタ・パスクアリーナ(Torta Pasqualina)は
有名です。丸ごとのゆで卵や春の青菜、チーズなどを混ぜて詰めたオーブン焼きのタルトです。

メイン料理は伝統的に羊肉。
パスクア前ともなるとスーパーや肉屋などには大量の羊肉が出回ります。

一方、若い世代や都市部では、毎年この時期に多くの羊が畜殺されることへの反対運動があり、
広場でのデモや広告を目にした人もいるのではないでしょうか…。

ともあれ、パスクアのドルチェ(デザート)はみんなの大好物!
むしろこちらがメインでは…?と思うほど。
こちらも地域によりますが、ナポリ地方のパスティエーラ(Pastiera)が代表格。

しかし、最も目を引くのは、鳩の形をしたパンケーキ・コロンバ(Colomba Pasquale)と、
卵型のチョコレート(Uova di Cioccolato)でしょう。

とりわけ卵型チョコレートは、割ると中にオモチャなどのプレゼント(Sorpresa)が入っているので、
子供たちに大人気!

これらのドルチェはバールでも販売しているので、ぜひのぞいてみてください。
多産のシンボルであるウサギの形をしたチョコレートも置いてありますよ!


パスクアの翌日、月曜日は休日で、パスクエッタ(Pasquetta)と呼ばれています。
宗教的意味はなく、イタリア独特の祝日ですが、今日一日を実家でゆっくり過ごせるのも、
パスクエッタの日にそれぞれ帰宅することができるからです。

明日まではバールも忙しいですが、華やかなお祝いの雰囲気や、家族そろって来店される
お客様を迎えることは、バリスタとしても気分が高まります。
この時期のあいさつは「ブォナ・パスクア!」「良いパスクアを!」。

皆さんも、良い春をお迎えください!

2011/04/04

首位攻防!ミラノダービー

先週末、セリエA第31節の各試合がありました。
注目は伝統のミラノダービー、ACミランvsインテル戦。

特に今回は、首位ACミランをインテルがわずか2ポイント差で追う、優勝争いの直接対決。
シーズン前半の不調から追い上げてきた昨季王者インテルが、今季絶好調で首位を独走していた
ACミランを遂に逆転するのか、地元ミラノどころかイタリア中の注目が集まりました。


私はいつものようにバールで観戦。
モニターに近いカウンター席に陣取りました。
試合は夜20:45開始だったので、お酒も美味しい時間です!

普段は落ち着いたテーブル席も、この夜ばかりは大量のイスが運ばれ超満員。
フロアも通り抜けるスペースが無いほど多くの立ち見客で溢れ、熱気も最高潮!
ミラニスタ(ACミランサポーター)とインテリスタ(インテルサポーター)の舌戦もヒートアップ!


戦前の予想はインテル有利。
ところが、試合は意外な展開を迎えました。

開始わずか1分、ACミランが若きエース・パトのゴールで先制します。
浮足立つインテルはACミランに主導権を許し、ボールを回される展開。

後半9分、流れを変えたいインテルでしたが、ゴール前に飛び出したパトを倒してDFキヴが退場。
1人少ない10人となったインテルは、ACミランにいっそうスペースを与え、苦戦を強いられます。

それでも迎えた決定的チャンスをインテルFWエトーが外すと、バールのミラニスタは拍手喝さい。
その直後の17分、パトが2点目を決め、大歓声と踊り出すお客さんでバールは騒然となりました。

完全にインテルを圧倒するACミランは、試合終了直前にもFWカッサーノがPKを決めて、
バールはもはやお祭り騒ぎ。
私も含めたインテリスタは、一度も歓喜することなく失意のうちにバールを出ることになりました。


これでACミランはインテルとの勝ち点を+5ポイントに広げ、最大のライバルを退けることに成功。
一方、3位ナポリはラツィオに逆転勝利し、ACミランとの勝ち点差-3を堅持したまま2位浮上。
マラドーナやカレカが在籍していた1990年以来21年ぶりの優勝に望みをつなげました。

今季7試合を残して、優勝争いはACミラン(勝ち点65)、ナポリ(62)、インテル(60)の3チーム。
この中で直接対決を残すのは、残り2試合目でのナポリvsインテル戦のみ。
ACミランが断然有利ですが、最後まで何があるかはわかりません。


インテリスタの私としては、インテルの残り全勝とACミランの2敗という奇跡を信じるしかなく、
今回のミラノダービーはとても苦いものになりました…。

それでも、この特別な夜を今回もイタリアで迎えられたことは、とても幸せなこと。

毎年、家で観戦すれば近所のあちこちから歓声が聞こえ、街中のどこを歩いていてもスタジアム
さながらのバールや観戦パーティーで盛り上がる家々からの絶叫に出くわします。
路上からは人が消え、モニターの無いバールは閑散とするほど。
イタリア人のサッカーへの情熱を垣間見る夜でもあるのです。


もうすでに、多くのインテリスタが来季のミラノダービーでの雪辱を誓っています。
しかしまだ今季、両チームともコッパ・イタリア(イタリア杯)準決勝に進んでいるので、
決勝戦で対決する可能性もあります。こちらもぜひ注目してみてください!

2011/04/03

MotoGP第2戦スペインGP

今日、MotoGP第2戦スペインGPが開催されました。
スペインは、イタリアと並んでMotoGP人気が高い国です。
注目の第2戦。見逃した方に簡単にお伝えしておきますね。


雨で路面が濡れた難しい状況でスタート。
ポールポジションは第1戦に続きストーナー。

中盤、2位ストーナーをロッシがコーナーで内側から抜くも転倒し、ストーナーも巻き込まれる。
ロッシは再びレースに戻るも、ストーナーはマシンが損傷し棄権。
さらにこの日絶好調で首位を快走していたシモンチェッリもコーナーで単独転倒、棄権。

3人に引き離され苦戦していたロレンソがこれで首位浮上。
以降安定した走りで独走を保つ。

終盤、スピーズがペドローザを抜き2位浮上。
これでヤマハのワンツー・フィニッシュかと思われたが、残り3周でスピーズがまさかの転倒。
ペドローザは辛くも2位を守る。

さらに、ヘイデンを抜いて3位に躍り出たエドワーズが、直後の残り2周でこちらもコースアウト。

これで順位が繰り上がり、ヘイデンが3位で今季初の表彰台。
4位は青山博一。序盤は後方にいたものの、徐々に順位を上げて自己最高位でフィニッシュ。
5位はロッシ。転倒で最後方に下がるも、今日の好調を示すように大きく挽回。


結果は以下の通りです。

1位:ロレンソ(スペイン/ヤマハファクトリー)
2位:ペドローザ(スペイン/レプソル・ホンダ)
3位:ヘイデン(アメリカ/ドゥカーティ)
4位:青山博一(日本/ホンダ・グレシーニ)
5位:ロッシ(イタリア/ドゥカーティ)

今季初優勝のロレンソはポイントリーダーに浮上。
地元スペイン勢のワンツー・フィニッシュで、会場は大いに盛り上がった様子でした。

転倒に巻き込まれ棄権したストーナーは、レース後ロッシを激しく非難し、
今季もこの2人の熱いライバル関係から目が離せそうにありません!


本来なら4月24日に第3戦日本GPが開催予定でしたが、震災により10月2日に延期されました。
代わって第3戦となるのは5月1日、ポルトガルGPです。