2013/01/18

バールで朝食を!

夜明け前、小鳥だけがさえずる静かな街で、最初に明かりが灯るのが、バールです。

出勤したバリスタがまず行うのが、エスプレッソマシンの準備。
それから、ブリオッシュをオーブンに入れます。
バンコ(カウンター)やテーブルを整え、ブリオッシュが焼き上がったところで、いよいよオープン!

澄み切った空気が清々しい朝日で輝き始める頃、次々にお客さんがバールにやってきます。
店内に広がる香ばしいエスプレッソと甘いブリオッシュの香り、蒸気を上げてテキパキとマシンを
操るバリスタ、小気味よくカップを並べていく音、そして元気良く交わされる朝のあいさつ…。

朝のバールは、とても気持ちの良い場所です。
お店に入ってくる時にはまだ眠そうな口数少ないお客さんが、出ていく時にはすっかり元気に
仕事や学校に向かいます。
「いってらっしゃい!」と見送るバリスタにとっても、大きな活力を得られる、一日のスタートです!


バールでの朝食は、カプチーノとブリオッシュが定番!
朝は飛び切り甘いものを食べて目を覚ますのが、イタリア流です。

この「ブリオッシュ」(Brioche)とは、小麦粉、バター、卵、牛乳、酵母でつくる、甘いパンのこと。
フランスからの外来語で、隣接するイタリア北部で特にこう呼ばれていますが、例えば
中部トスカーナ州のように、イタリア語で総称的に「パスタ」と呼ぶ地域もあります。

また、基本的にはクロワッサンのように三日月形をしているので、イタリア中部や南部では、
それを動物の角の形になぞらえて、「コルネット」(Cornetto)と呼ぶ方が一般的です。

しかし実際には、他にも様々な形があります。
三つ編み状の「トレッチャ」(Treccia)、長方形に包んだ形の「ファゴッティーノ」(Fagottino)、
渦巻き状の「ジレッラ」(Girella)、筒状の「カンノーロ」(Cannolo)、丸い「トンダ」(Tonda)など…。

味のバリエーションは、プレーン(Liscia / Vuota)の他、カスタードクリーム(alla crema)、
アプリコット・ジャム(alla marmellata)、チョコレート(al cioccolato)の4種類が、定番中の定番。

変わり種では、リンゴやパイナップルの果実をはさんで焼いたものや、ライスクリーム入り、
レーズン入り、さらにはハチミツ入りの全粒粉製ブリオッシュなどを扱うバールもあります。


多くのバールでは実は冷凍品を仕入れているのですが、オススメは菓子店・パスティッチェリーア
を併設するバール。ここでは、菓子職人自慢の自家製ブリオッシュが並びます。
種類も豊富で、早朝に仕込んだばかりの出来立ては格別です!

いずれにしても、焼き上がったばかりの熱々ブリオッシュが並べば、迷わずそれを頼みましょう。
滅多に巡り合うことのできない幸運の味は、一日中幸せに過ごせる極上の美味しさです!


せっかくイタリアを訪れても、朝食はホテルですませる方が多いのではないでしょうか?
でもそれは、非常にもったいないこと!

ぜひ近くのバールに足を運んでみてください。
活気あるイタリアの日常は、朝のバールから始まるのです。
バリスタの笑顔に見送られて…。今日も良い一日を!ブォナ・ジョルナータ!


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