日本でも最近知られるようになってきた、ミラノの銘菓・パネットーネ(Panettone)。
「大きなパン」という意味通り、大きなドーム型の甘く柔らかいパンです。
レーズンなどのドライフルーツが入っているのが特徴。
パネットーネの誕生は、およそ500年前のルネッサンス期。
ルドヴィコ・スフォルツァ、通称イル・モーロ(Ludovico il Moro)統治下のミラノだったと、
いくつかの伝説が伝えています。
ひとつは、ミラノの鷹匠の若者が考案したという説。
彼は美しいパン屋の娘に恋し、そのパン屋に雇われるよう、また売上げを伸ばすよう、
ドライフルーツなどを使った新しいパン(パネットーネ)をつくり、それが評判を呼び、
その後2人は結婚して幸せに暮らした、というもの。
もうひとつは、ミラノ公イル・モーロのコックが、周辺国の貴族たちを招いた豪勢なクリスマス
昼食会を任されたときのこと。
準備したデザートをオーブンで焦がしてしまい、見習いのアントニオが試作していたパンケーキを
急遽出すことになり、それが意外にも大好評。
招待客に「パーネ・ディ・トーニ(Pane di Toni)」(アントニオの愛称・トーニのパン)と紹介し、
それが訛って「パネットーネ」になったというもの。
いずれにしても現在では、それがクリスマス用パンケーキとして全国的に有名です。
11月下旬から、スーパーや食料品店にはパネットーネが大量に並べられ、クリスマスまでに
親戚や友人、職場の同僚などに贈り合う習慣があります。
これがクリスマス当日ともなれば、もらったパネットーネを大量に抱えることに!
ですから、クリスマス休暇中(クリスマスから年越し、1月6日のエピファニアの祝日までの2週間)、
家でパネットーネを食べ続けることになるのです。
もうひとつ、似たようなクリスマス菓子に、ヴェローナ銘菓のパンドーロ(Pandoro)があります。
こちらはドライフルーツが入らず、雪のように白い粉砂糖を振りかけて食べます。
どちらも全国のスーパーなどで大量販売されますが、ほとんどは添加物など多く含んだ工業食品。
私のオススメは、菓子店・パスティッチェリーア(Pasticceria)が各店競って焼き上げる自家製です。
伝統製法の風味は格別で、友人に贈ってもとても喜ばれることでしょう!
ジェノヴァのパンドルチェ(Pandolce)など、各地方でしか食べられない同様のクリスマス菓子も
あります。やはり地元のパスティッチェリーアで見つけてみてくださいね!
パスティッチェリーアを併設しているバールでは、切り分けたパネットーネを食べることができます。
一番のオススメは、一杯の甘口スパークリングワインと合わせること。
パネットーネを引き立たせる、大人の食べ方です。
また、甘いものに目がない方は、ホットチョコレートをかけて食べるなんてどうでしょう?
あまりの幸せに思わずうっとりしてしまうご婦人方を、カウンターからたくさん見てきました!
他にも、あなただけの食べ方を、ぜひバリスタに相談してみてください。
とびきりの発見があるかもしれませんよ!
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