2011/12/15

マティーニ&ギョーザ


マティーニは言わずと知れた「カクテルの王様」。
ドライ・ジンとドライ・ヴェルモットでつくる定番中の定番カクテルです。

日本では「マティーニ」と発音しますが、欧米ではイタリア語風に「マルティーニ」(Martini)と
発音されます。
なぜイタリア語風なのか…?
それは、イタリアのヴェルモット「マルティーニ」に由来するためで、これは世界で最も有名な
ブランドの一つでもあります。

マティーニが考案されたのは、ジンベースのカクテルが盛んに作られたアメリカ。
しかし、多くの酒造メーカーがそうするように、自社製品の拡販目的にメーカー自らが
カクテルの名前をつけて宣伝したといわれています。
実は、「カクテルの王様」はイタリアと切っても切れない関係にあったのです!

ちなみに、マティーニが注がれたカクテルグラスの底には、ピックに刺したオリーブが
沈められています。いかにも地中海的ではありませんか!

もちろんイタリアのバールでも、アペリティーヴォ(食前酒)の代表的カクテルとして、
メニューに見つけることができます。
しかし、意外にもイタリア人にはそれほど人気があるとはいえません。
バールでオーダーが入るときは、まずアメリカ人やイギリス人、オランダ人だと思って
間違いないほどです。


先日、ピサに住む日本人の友人を訪ねたとき、とても興味深い話を聞きました。
彼は手作り餃子でもてなしてくれたのですが、同席したイギリス人女性が「オランダの
アムステルダムのバーにある、マティーニ&ギョーザが大好きだったわ…」と、ため息を
ついたのです。

バリスタの私には、この発想は衝撃的でした!
確かに、キレ味鋭いジンのドライな風味は、餃子のクセのあるこってりした味にとても合うでしょう。
同じホワイト・スピリッツのウォッカも合うはずです。

イタリアのヴェルモットとイギリス・オランダ生まれのジンが、アメリカでカクテルとして出会い、
今ではそれが餃子とともに飲まれる…。
創造力で発展してきたドリンクや食のさらなる可能性に、心が躍った夜でした。

********************************************************************************

【追記】
イタリアでマティーニを注文する際は、「カクテル・マルティーニ」と言ってくださいね!
「マルティーニ」だけだと、ヴェルモットが出てくるので注意が必要です。


0 件のコメント:

コメントを投稿