イタリアのクリスマスの食卓に欠かせないのが、モデナ産ザンポーネ(Zampone di Modena)。
今ではイタリア全土にとどまらず、世界的にも有名な逸品です。
製造工程が似ているモデナ産コテキーノ(Cotechino di Modena)と一緒に、クリスマスシーズンとも
なれば、どちらも市場やスーパーに大量に並べられます。
ザンポーネとは、豚のひづめ付き前足の皮袋に詰め物をした、豚肉加工食品のこと。
詰め物には、豚の肩、足、皮、喉、頬、腹の各部位を挽き、コショウ、ナツメグ、シナモン、
クローブ、ワインで軽く味付けされたものを使います。
これを加工するわけですが、検査の通ったものは保護地理的表示・IGP(Indicazione Geografica
Protetta)に指定され、モデナ産の正真正銘の伝統食品として、他地域で生産されるザンポーネと
大きく区別されます。
ザンポーネは茹でて輪切りにし、伝統的には、煮込んだレンズ豆(Lenticchie)とジャガイモの
ピューレ(Purè)を添えて皿に盛りつけられます。
皮のコリコリとした独特の食感は、クセになる美味しさ!
モデナでは、有名なモデナ産バルサミコ酢(Aceto Balsamico di Modena)を使ったザバイオーネや、
リンゴのソースを添えるなど様々なレシピがあり、クリスマスに限らず食されます。
また、ザンポーネに比べ価格の安いコテキーノは、より一般的にイタリア北部のリストランテで
扱われ、茹で肉の盛り合わせ・ボッリートや、カルボナーラなどのパスタ、リゾットなどの具に
使われています。
(私がコテキーノと出会ったのも、モデナから遠いイタリア北東部トリエステのリストランテでした!)
おそらく日本にも、調理済みの殺菌パックされたものが輸入されているのではないでしょうか…。
パックのまま沸騰した鍋で温めるだけなので、とてもカンタン!ぜひ試してみてください!
そもそもザンポーネの誕生は1511年、モデナ近郊ミランドラ(Mirandola)の町が教皇ユリウス2世の
軍勢に包囲された時のこと。
ミランドラの人々は、敵軍に重要な食料である豚を奪われないようにするため事前に豚肉を挽き、
それを豚の皮に詰め(コテキーノ)、さらに前足の皮にも詰めて(ザンポーネ)、保存食としての
確保にも成功したのです。
それから今年でちょうど500年目。
今ではすっかりクリスマス料理の代表格として、イタリア中の食卓に並びます。
今年のクリスマスは、ザンポーネとコテキーノを主役にしてみてはどうでしょうか。
500年続く長い歴史に想いをはせ、家族の幸せもずっと続くよう祈りつつ、心温まるクリスマスを
迎えるのもいいかもしれませんね!
モデナ産ザンポーネIGP・公式サイト(イタリア語)
http://www.zamponemodena.it/
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